すでに動いている/資金調達している主な類型と企業
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Web3広告ネットワーク(ウォレット/ dApp面の配信)
HypeLab:ウォレットやdApp・NFTマーケットプレイス内に配信、オンチェーン/オフチェーン属性でターゲティング。23年に**$4M**調達。 hypelab.com+1The Block -
オンチェーン計測・アトリビューション
Spindl:Web2⇄Web3横断の計測(AppsFlyer連携)/ 22年に**$7M**調達。 Axiosblog.spindl.xyz -
Web3オーディエンス構築(アドレス⇄Web2紐付け/拡張)
Addressable:23年に**$7.5M**→24年に累計$13.5M。ウォレットに基づくマーケ堆積を提供。 addressable.io+2addressable.io+2 -
分散型アドエクスチェンジ/プロトコル
Ambire AdEx:17年からの広告プロトコル(支払いチャネル/スマコン決済)。初期に約**$10–12M**規模の資金調達(ICO)。 GitHubadex.network+1 -
ユーザー報酬型ブラウザ広告
Brave / BAT:ユーザーが同意して広告を受け取り、BATで報酬。Roadmap 3.0ではオンチェーン連携やクエスト強化。 Brave+1 -
“クエスト/タスク”型の獲得(オンチェーントライアル=成果)
Galxe、Layer3、Zealy:大規模ユーザー基盤・23–24年に資金調達(Layer3は**$15M Series A**)。広告の代替として成果タスクを組むユースケースが一般化。 galxe.comLayer3PYMNTS.com -
アドフラウド対策(オンチェーン検証)
Verasity(Proof-of-Viewでビュー検証、VeraViews提供)。 OKXverasity.io
Web2アドテクと比べた利点(+理由)
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成果の“可監査性”が高い:ミント/スワップ/入金などオンチェーンの最終イベントをコンバージョンにでき、スマコンに記録→レポートの食い違いを縮小。ZKや分散台帳での監査性も研究・実装が進展。 arXiv
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同意ベースのID(ウォレット):**SIWE(ERC-4361)**で署名ログイン→クッキー不要でもセッションと同意管理が可能。スマコンウォレットの署名検証(EIP-1271)にも対応。 Login.xyz+1ethereum.org
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自動レベニューシェア/即時決済:支払いをスマートコントラクトで自動化(エスクロー/ストリーミング/上限管理など)。AdEx系は支払いチャネルでマイクロペイメントを大量処理する設計。 GitHub
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“ウォレット内”のリーチ:従来のウェブ面では届きにくい**実利用者(保有資産・トランザクション有り)**に直接配信可能。 hypelab.com
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ユーザーと利害が一致する設計:Braveのようにユーザーへ還元するモデルが標準機能として存在。 Brave
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フラウド耐性の強化余地:ビュー/クリックの“申告値”より、検証可能なイベント(オンチェーン)を課金根拠にできる。PoVのようなビュー真正性検証も登場。 OKX
ただし(現実的な留意点)
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到達規模/在庫の成熟度:Web2の巨大在庫・ブランドセーフティ標準(IAS/DoubleVerify等)に比べ、Web3は在庫/測定の標準化が発展途上。Quest型で補完する動きが主流。 Layer3
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ID断片化とSybil対策:チェーン/ウォレット跨ぎの重複、スマコンウォレット署名(EIP-1271)対応の実装差など、運用ノウハウが必要。 ethereum.org
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Web2側の環境は“まだ動的”:Chromeの3rdパーティCookieは段階的制限の計画が度々変更/遅延。Privacy Sandbox(Attribution Reporting API等)は動き続けており、Web2計測も並行で必要。 Privacy Sandbox+1Wall Street Journal
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日本の広告・景品規制/暗号資産規制:表示義務・誇大表現の禁止(景表法/JVCEA指針)に注意。対価や特典(NFT/トークン付与)は景品類上限やリスク表示等の要件を満たす設計が必要。 CAA Japan一般社団法人 日本暗号資産取引業協会(JVCEA)t2fifa.or.jp
どう活かすか(実務Tips)
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配信:まずはHypeLab等のウォレット面在庫でCPA/CPE試験運用。 hypelab.com
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計測:SIWE署名+campaignIdでクリック識別→オンチェーン成果と1:1照合。Web2計測(AppsFlyer等)とSpindl連携で“Web2→オンチェーン”のラストタッチを補完。 blog.spindl.xyz
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不正対策:成果はオンチェーンイベント+PoV/独自検証の二重化、SC側でcooldown/上限/nonce。 OKX