EAS/Verax はどちらも「アテステーション(第三者が“この事実を見た/保証する”と表明するデータ)」を、再利用しやすい形で公開・検証できるようにするための基盤です。
アテステーションとは
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発行者(attester/issuer)が、対象(recipient:ウォレット等)について「○○である」と表明する“証明レコード”
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例:KYC済み、イベント参加、特定SBTの保有、職歴、レビュー、リスク判定など
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重要ポイント:トークン(資産)ではなく、主に“主張(claim)”の記録
EAS(Ethereum Attestation Service)の要点
EASは、アテステーションのためのスキーマ(schema)と発行・検証の枠組みを提供します。
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Schema(スキーマ):アテステーションの項目定義(フィールド構成)
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On-chain / Off-chain:オンチェーン記録だけでなく、オフチェーン表明も扱える(設計上の選択肢がある)
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Revocation(取り消し):無効化できる(オンチェーン/オフチェーン双方の取り消しに言及)
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実装面では JS/TS のSDK(eas-sdk)で、発行・取り消しなどを行うのが一般的
Verax(Verax Attestation Registry)の要点
Veraxは「共有の公開アテステーション・レジストリ」として、dAppが同じ場所に発行し、発見・合成しやすくする思想が強いです。
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Schemas:スキーマは“設計図(blueprint)”として再利用可能
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単一インスタンス志向:ネットワークごとに1つを想定し、全dAppが同じ場所へ発行しやすくする
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EAS互換:EASとの相互運用を意識した互換ガイドがある
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“Portals”等で他規格との接続・拡張を語っている(エコシステム的な合成志向)
ざっくり比較(使い分けの観点)
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EAS:エコシステムが大きく、「まずEAS基準で考える」と相互運用しやすい。スキーマ+発行+取り消しの基本部品が揃う。
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Verax:**レジストリとしての“集約性/発見性/合成”**を強く打ち出し、かつ EAS互換で橋渡しを狙う。
実務での設計テンプレ
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スキーマ設計:何を証明するか(例:
(bool kyc, uint64 level, uint64 issuedAt)) -
発行者の信用設計:誰が発行して良いか(運営、審査機関、コミュニティ等)
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失効・更新:期限(expiration)や取り消し(revocation)をどう扱うか
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プライバシー:公開で困る値は「ハッシュ化」「参照ID化」「オフチェーン保管+オンチェーンは要約」などに寄せる(設計判断)

