2025年9月15日月曜日

イギリスの市長はムスリムばかりになってるんですか?

 いいえ。その事実はありません。

  • 英国の「市長」には①広域のメトロ市長(地域首長)、②各自治体の直接公選市長、③儀礼的な(議長役の)シビック/(ロード)メイヤーの3系統があります。③は主に儀礼職で行政の意思決定権はありません。Institute for Government+1

  • 広域のメトロ市長は、ロンドンを含め現在13人(2025年にグレーター・リンカンシャーが新設)。この中で、公にムスリムと報じられているのはロンドンのサディク・カーン氏のみです。Centre for Cities+2Institute for Government+2

  • 一方、直接公選市長ではムスリムの例もあります(例:タワーハムレッツのルフル・ラーマン氏/2010–15・2022–、ニューハムのロクサナ・フィアズ氏=「ムスリムの背景」と報じ)。ただし少数派です。ウィキペディア+1

  • そもそも英国には317の地方自治体があり、多くの自治体で任期一年の儀礼的市長が存在します。これらは人数も多く、宗教で「ほとんどがムスリム」という状況ではありません。GOV.UK

  • 人口面でも、英・ウェールズのムスリムは6.5%(2021年国勢調査)。比率から見ても「ムスリムばかり」という認識には当たりません。国立統計局

誤解やSNS由来のミスリードが混ざりやすい話題です。