もともとネットは「仕様・由来を公開して接続する」文化(RFC/W3C/ブログ)でしたが、収益化とモバイル化で“逆ディスクロージャー”が進みました。要点だけ整理します。
3段階の変遷
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開示指向(〜2000)
公開規格・実名的コミュニティ・リンクで評価=可視。 -
不可視化の進行(2000–2010s)
アドテク/入札/指紋採取、推薦アルゴリズム、アプリ化で“箱化”。 -
規制主導の再ディスクロージャー(2020s–)
広告ライブラリ、ステマ規制、C2PA/AIラベリング等で部分的に回帰。
逆転を招いた力学(5つ)
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競争優位:データと最適化手法は隠すほど儲かる
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プライバシー規制の副作用:同意UIは増えたが実態は見えにくい
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プレミアの壁:有料層で情報非対称が拡大
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濫用対策:スパム/荒らし対策名目で基準がブラックボックス化
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インフラ回収:ログや計測が企業内に囲い込まれた
いま実務でできる「設計の原則」
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目的別開示:①推薦理由 ②広告/アフィ関係 ③生成物ラベル(AI/C2PA)
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二重ログ:内部監査ログ+ユーザー向け“ミニ開示ログ”(誰に何が届いたかの要約)
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透明性API:出稿・配信・推薦の要約エンドポイントを外部公開
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プレミア再設計:有料でも開示文言は無料で誰でも閲覧可
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合意UI最適化:1画面1目的・履歴参照・いつでも撤回
進め方(軽量KPI)
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可読開示率(開示文を実際に読まれた割合)
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関係性明示率(提携/ギフティング表示の網羅度)
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推薦理由開示率(リコメンドの“なぜ”を提示した配信の割合)