2025年9月6日土曜日

もともとインターネット自体ディスクロージャーだったはずですけど、マネタイズその他、そうはならなかったですね

 もともとネットは「仕様・由来を公開して接続する」文化(RFC/W3C/ブログ)でしたが、収益化とモバイル化で“逆ディスクロージャー”が進みました。要点だけ整理します。

3段階の変遷

  1. 開示指向(〜2000)
     公開規格・実名的コミュニティ・リンクで評価=可視。

  2. 不可視化の進行(2000–2010s)
     アドテク/入札/指紋採取、推薦アルゴリズム、アプリ化で“箱化”。

  3. 規制主導の再ディスクロージャー(2020s–)
     広告ライブラリ、ステマ規制、C2PA/AIラベリング等で部分的に回帰。

逆転を招いた力学(5つ)

  • 競争優位:データと最適化手法は隠すほど儲かる

  • プライバシー規制の副作用:同意UIは増えたが実態は見えにくい

  • プレミアの壁:有料層で情報非対称が拡大

  • 濫用対策:スパム/荒らし対策名目で基準がブラックボックス化

  • インフラ回収:ログや計測が企業内に囲い込まれた

いま実務でできる「設計の原則」

  • 目的別開示:①推薦理由 ②広告/アフィ関係 ③生成物ラベル(AI/C2PA)

  • 二重ログ:内部監査ログ+ユーザー向け“ミニ開示ログ”(誰に何が届いたかの要約)

  • 透明性API:出稿・配信・推薦の要約エンドポイントを外部公開

  • プレミア再設計:有料でも開示文言は無料で誰でも閲覧可

  • 合意UI最適化:1画面1目的・履歴参照・いつでも撤回

進め方(軽量KPI)

  • 可読開示率(開示文を実際に読まれた割合)

  • 関係性明示率(提携/ギフティング表示の網羅度)

  • 推薦理由開示率(リコメンドの“なぜ”を提示した配信の割合)