共通点
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3D→2D符号化:3Dシーン情報を2Dパターン(干渉縞/距離場テクスチャ)に埋め込みます。
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再構成:2Dから3Dらしさを復元(光の伝搬/レイマーチ)して立体を知覚させます。
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場の表現:連続場(複素振幅/距離スカラー)として“連続的”に幾何を扱います。
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GPU親和性:フラグメントシェーダで大規模並列計算が可能です。
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視点非依存な元データ:1つの符号化から多視点の立体感を引き出せます。
相違点(対照表)
観点 | ホログラム | GLSLのSDF | メモ |
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符号化量 | 位相/振幅(複素場) | 距離スカラー | 情報量はホロがリッチ |
物理性 | 波動光学(回折・干渉) | 幾何光学近似(距離・法線・BRDF) | 焦点/調節手がかりはホロが再現 |
再構成 | 光の伝搬計算(Fresnel/AS法、FFT) | レイマーチ+陰影 | 計算カーネルが根本的に異なる |
遮蔽/多重像 | 場として自然に含む | 距離ヒットで手続き的に表現 | 反射/屈折はSDFで拡張可 |
解像感 | 波長オーダーの高周波を保持 | ステップ数・ε・精度に依存 | SDFはジャギ/バンディングに注意 |
色 | 波長ごとに設計(単色が基本) | RGBで自由 | ホロのカラーは難度・コスト高 |
奥行手がかり | 両眼視+調節+回折ボケ | 両眼視・運動視差中心 | 調節はSDFでは疑似的 |
データ設計 | 物体→位相マップ化が必要 | 形状→SDF合成が自然 | 制作ワークフローの違い |
実体 | 実写/物理デバイスで実在像 | 画面上のレンダ | 出力の用途が異なる |
ノイズ特性 | スペックル/回折ノイズ | サンプリング/誤差ノイズ | ノイズ対策の手法が別 |
スケーリング | FFTで大域計算 | レイマーチで局所反復 | 並列性の質が違う |
応用 | ディスプレイ/計測/セキュリティ | DCC/可視化/デモシーン | 産業領域が異なる |
ブリッジ発想(相互に寄せる)
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SDF→ホログラム風:ヒット深度 z から位相 ϕ=2πz/λ を作り、Fresnel畳み込みで“再生”表現。
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ホロ→SDF風:位相/振幅場から等位相面を抽出して等値面レンダ(擬似SDF)として可視化。
ひとことで
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ホログラムは波(複素場)をそのまま持つ“物理的な3D”、SDFは距離場から“幾何学的に3Dを生成”。
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どちらも「2Dの場に3Dを埋め込む」が、扱う“場”の中身(波 vs 距離)と再構成カーネル(伝搬 vs レイマーチ)が本質的に違います。