100均ガジェット主要部品:リード文+部品リスト+役割
各セクションは「約240字のリード」→「よくある構成(部品リスト)」→「役割の解説」→「参考リンク」の順です。
ブリッジダイオード
交流を直流へ変換する整流の要です。4つのダイオードを橋のように組み、波形のマイナス側も正方向に折り返して取り出します。LED電球や小型充電器では、この後段に平滑や定電流回路が続き、安全で安定した電源づくりの出発点になります。
よくある構成(部品リスト)
- 整流ダイオード×4(SMD/リード)または一体型ブリッジ(例:MB6S)
- 平滑用電解コンデンサ/サージ吸収素子(必要に応じて)
役割の解説
ACの正負半周期を全波整流して脈流DCを得ます。後段のコンデンサで平滑し、LEDドライバやスイッチング電源へ供給します。
参考リンク
定電流ドライバIC
LEDは電圧ではなく電流で明るさが決まります。定電流ドライバICは入力電圧の揺れや温度変化があっても、LEDに一定の電流を流し続け、ちらつきや過熱を抑えます。安価な照明でも寿命と均一な発光を支える“縁の下の力持ち”です。
よくある構成(部品リスト)
- 定電流ドライバIC(リニア型/スイッチング型)
- センス抵抗、スイッチング型ならインダクタ/ダイオード/C
役割の解説
目標電流を検出・制御し、LED列の輝度を安定化。スイッチング型は高効率、リニア型は低ノイズ・簡素が利点です。
参考リンク
セグメントLCD+導電ゴム
数字やアイコンを省電力で表示する定番がセグメントLCDです。ガラスと基板を“導電ゴム”で挟み、きれいに配線せずとも確実に接続できます。キッチンタイマーや温湿度計で、低消費電力・薄型・低コストを同時に実現します。
よくある構成(部品リスト)
- セグメントLCDガラス(アイコン付き)
- 異方性導電ゴム(ゼブラストリップ)
- コントローラ(COB/IC)/駆動クロック
役割の解説
少数の端子で多桁表示を実現。導電ゴムが基板とLCDパターンを均一に接続し、補修やコスト低減に寄与します。
参考リンク
32.768kHz水晶振動子
時計用の標準周波数で、1秒を正確に刻む“心臓”です。32,768=2^15 という性質により、デジタル回路での分周が容易。安価なタイマーや電卓でも時刻計測やスリープ制御を安定させ、省電力設計に大きく貢献します。
よくある構成(部品リスト)
- チューニングフォーク型水晶(32.768kHz)
- ロードコンデンサ(マイコン内蔵の場合あり)
役割の解説
低周波で安定な共振を提供し、RTCやタイマの基準に。低消費で長期の時刻精度を確保します。
参考リンク
COBマイコン(樹脂封止IC)
黒い樹脂の下にダイを直接実装する“チップオンボード”。基板にワイヤでつなぎ、そのまま封止してコストを徹底削減します。表示、ボタン、ブザーなどの制御を1チップで担い、100均ガジェットの多機能化を支えます。
よくある構成(部品リスト)
- COBダイ+ワイヤボンディング+黒樹脂封止
- 最小限の外付け部品(発振子、抵抗、C 等)
役割の解説
I/OやLCD駆動、ブザー出力など雑多な機能を統合し、製造コストと基板面積を削減します。
参考リンク
圧電ブザー
電圧をかけるとたわんで鳴る軽量サウンダです。タイマーの報音や操作フィードバックに最適で、電力消費がごくわずか。駆動も単純で、マイコンの出力やトランジスタ一段で扱えます。小さくても耳に届く明瞭な音が特長です。
よくある構成(部品リスト)
- 圧電素子(外付け駆動型/自励発振内蔵型)
- ドライバ(NPNトランジスタ/Hブリッジ等)
役割の解説
少電力で可聴帯を効率的に発生。自励型は電源印加のみで鳴動、外付け型は周波数可変が可能です。
参考リンク
光センサー(CdS/フォト)
周囲の明るさを電気信号に変える部品です。常夜灯は暗くなると点灯、明るいと消灯、といった自動制御を簡単に実現できます。フォトトランジスタ型なら反応が速く、CdSなら扱いが容易。用途とコストで使い分けます。
よくある構成(部品リスト)
- CdSフォトレジスタ/フォトトランジスタ
- バイアス抵抗/分圧回路/しきい値比較(コンパレータ/MCU)
役割の解説
環境光の変化を電圧や電流の変化として取り出し、LED駆動や省電力制御のトリガに用います。
参考リンク
スイッチング電源+トランス
ACから高効率で安定したDCを取り出す方式です。高周波でスイッチングし、小型のトランスで絶縁・降圧。発熱が少なく軽量で、USB充電器などの小型化を可能にします。発振制御と保護回路が安全を担保します。
よくある構成(部品リスト)
- 一次側スイッチングIC+パワーMOSFET+高周波トランス
- 二次側整流(ショットキー/同期整流)+出力フィルタ
- フィードバック(フォトカプラ+基準)/保護回路
役割の解説
高周波変換で体積・損失を削減。絶縁により安全を確保しつつ一定電圧を供給します。
参考リンク
フォトカプラ(フォトカプラー)
発光素子と受光素子を封入し、光で信号を渡す絶縁部品です。一次側と二次側の電気的つながりを断ちつつ、電源の安定制御に必要なフィードバックを安全に伝えます。感電やノイズのリスクを減らす要となります。
よくある構成(部品リスト)
- LED+フォトトランジスタ(またはフォトダイオード/トライアック)
- 一次側・二次側の基準回路/補償素子
役割の解説
高耐圧で信号を安全伝送。SMPSの出力電圧を一次へ伝え、負荷変動に追従させます。
参考リンク
USBのD+/D−判別回路
充電器が接続先の機器種別を見分け、許容電流を決める“会話”の仕組みです。データ線の電圧を所定条件にして「専用充電ポート」等を示し、スマホ側が安心して速く充電できるよう誘導します。互換性と安全性を両立します。
よくある構成(部品リスト)
- D+/D−のバイアス抵抗・短絡設定(BC1.2互換)
- 専用の自動判別IC(Apple/Samsung互換含む)
役割の解説
機器が許容する充電モードを提示し、過電流を避けつつ充電速度を最適化します。
参考リンク
リチウムイオン/ポリマー電池
高エネルギー密度で小型・軽量の蓄電池です。保護ICと組み合わせ、過充電・過放電・過電流を防いで安全を確保します。携帯スピーカーやヘッドセット、モバイルバッテリの長時間駆動を可能にする要のエネルギー源です。
よくある構成(部品リスト)
- Li-ion/Li-Poセル(1S)+保護基板(PCM:OVP/UVP/OCP)
- 温度センサ(NTC)/コネクタ/固定テープ
役割の解説
小型筐体でも大容量を実現。保護・充電制御と一体で安全性と寿命を確保します。
参考リンク
昇圧DC-DCコンバータ
電池の3V台をUSBの5Vへ引き上げる回路です。コイル、ダイオード、スイッチ素子の組み合わせで高効率に変換し、電池が弱っても出力電圧を維持します。小型のモバイルバッテリやLEDライトで“最後まで使える”を支えます。
よくある構成(部品リスト)
- 昇圧IC+インダクタ+ショットキーダイオード+出力コンデンサ
- フィードバック分圧抵抗/ソフトスタート/保護素子
役割の解説
低電圧源から5Vなどの高い安定電圧を生成し、USB出力やLED駆動を可能にします。
参考リンク
充電IC/保護IC
電池の充電電流や終止電圧を管理するのが充電IC、異常時に電池を守るのが保護ICです。温度や電圧の監視でリスクを抑え、寿命も伸ばします。安価なガジェットでも、この2つの有無が安全性と信頼性を大きく左右します。
よくある構成(部品リスト)
- Li-ion充電IC(線形/スイッチング)+ステータスLED
- 保護IC(OVP/UVP/OCP)+保護FET(PCM)
役割の解説
適正プロファイルで充電し、過充電・短絡などの事故からセルを保護。信頼性の要です。
参考リンク
光学センサIC(マウス)
LEDで照らした表面模様の動きを撮像し、微小なズレから速度を算出するセンサです。レンズと組み合わせ、スクロールやクリック情報とともにPCへ座標を送ります。安価な無線マウスでも滑らかなポインタ操作を実現します。
よくある構成(部品リスト)
- 光学センサIC+照明LED(赤/IR)
- レンズ/スナップインホルダ/MCU/無線モジュール
役割の解説
画像相関処理により表面の相対移動を高精度に検出し、低遅延で座標化します。
参考リンク
クラスDアンプ+スピーカー
パルス幅変調で効率よく増幅するクラスDは、電池駆動のBTスピーカーに最適です。小電力で大きな音が得られ、発熱も少なめ。小口径フルレンジと組み合わせ、筐体の容積を活かした“鳴り”をコンパクトに引き出します。
よくある構成(部品リスト)
- クラスDアンプIC(BT SoC内蔵の場合あり)
- スピーカー(3W/4Ω 等)/LCフィルタ(必要に応じて)
役割の解説
PWMでスイッチ動作させて損失を最小化、高効率で電池寿命を延ばしつつ十分な音量を確保します。
参考リンク
Bluetooth SoC
無線、オーディオコーデック、プロトコル処理をワンチップにまとめた通信中枢です。イヤホンやスピーカーでは、ペアリング、再生制御、低遅延伝送まで一手に担います。周辺回路が少なく、設計とコストを大幅に縮めます。
よくある構成(部品リスト)
- BT SoC+水晶発振子(または内蔵OSC)
- アンテナ(チップ/パターン)/電源・音声周辺
役割の解説
RFからアプリ層まで統合し、無線機能を最小部品点数で実現。省電力な接続維持に貢献します。
参考リンク
タッチIC+電極
指先の静電容量変化を検出し、スイッチや調光を実現します。機械的な摩耗がなく、外装を一体化しやすいのが利点です。USBライトや小型ガジェットで、直感的かつ故障しにくい操作系を安価に提供できます。
よくある構成(部品リスト)
- タッチセンサIC(単一/複数チャネル)+電極パターン
- 感度調整抵抗/容量/ノイズ対策(ガードリング等)
役割の解説
微小な容量変化を検出して確実なON/OFFやスライダ入力を実現。密閉構造で防塵・防滴にも有利です。
参考リンク
ハブコントローラIC
PCと複数のUSB機器の仲立ちをする“交通整理役”です。電源配分、アドレス割当、速度の違いの吸収などを自動でこなし、バスパワでも安定動作を目指します。ESD保護素子や抵抗・コンデンサと組み合わせて信頼性を確保します。
よくある構成(部品リスト)
- USBハブIC(2.0/3.x)+アップ/ダウンポート
- ESD保護/VBUSスイッチ/リファレンスクロック
役割の解説
USBトポロジを管理し、電気的・論理的互換性を確保。過電流検出やポート個別制御を担うICもあります。
参考リンク
ESD保護素子
人体や静電気放電から回路を守る安全弁です。サージが来た瞬間だけ素早く電荷を逃し、平時は回路に影響を与えません。USBやタッチ電極、無線アンテナ周りに配置され、見えないトラブルを未然に防ぎます。
よくある構成(部品リスト)
- TVSダイオード(双方向/一方向)/ESD保護アレイ
- レイアウト対策(短い接地経路/スタブ最小化)
役割の解説
過渡的な高電圧を低インピーダンスで大地へバイパスし、ICやポートの破壊を防ぎます。
