Reviews of 『風の帰る場所』 on Japanese Websites
『風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡』は、ロッキング・オン社から2002年に初刊行され、2013年に文春ジブリ文庫として再刊行された宮崎駿監督のインタビュー集ですarashi-golf.hatenablog.jp(聞き手:渋谷陽一)。この本に関する批評的・分析的な書評は、日本語の書評ブログやコラムサイトなどで多数掲載されています。以下、主な例を媒体情報とともに紹介します。
- かぐらかのん(Hatena書評ブログ) – 個人ブログ「かぐらかのん」に2019年8月31日付で掲載された書評「『綺麗な嘘』を全力で吐くということ--風の帰る場所(宮崎駿)」では、本書を通じて宮崎駿作品に流れる**“ニヒリズムとヒューマニズム”**という二極のテーマに光を当てていますkagurakanon.hateblo.jp。レビュアーは、渋谷陽一が挑発的な質問で宮崎監督のニヒリスト的側面を暴き出し、宮崎作品が「もはや世界は何も変わらない」という虚無と「それでも世界を肯定しなければならない」という人間愛との断絶を埋める軌跡として描かれていると分析していますkagurakanon.hateblo.jp。出版元は文藝春秋(文春ジブリ文庫版)で、レビュー内でも発行日2013年とKindle版である旨が記載されています。 
- 山本蓮花のブログ「小説には書けないあれこれ」(作家による書評ブログ) – 小説家・山本蓮花氏のブログに2019年9月3日付で掲載された記事「「僕は、人間を罰したい」〜宮崎駿インタビュー集」は、本書を詳細に論じた批評的レビューです。記事内では**「本書はそれぞれの映画製作当時のインタビューをまとめたもので、クリエイターとして、監督として、そして人間としての宮崎駿の魅力が詰まったものになっている」**と紹介し、著者は読後に「宮崎駿という人間はやはりまず何よりも『アニメーター』である」と再認識したと述べていますrenge-blog.com。ブログ記事では宮崎監督の“動き”へのこだわりや「人間を罰したい」という発言など、本書から読み取れる監督の創作哲学を深く掘り下げています。 
- 「嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2」(Hatenaブログ) – 2020年6月28日付のエントリー「12年間を費やした12万字の言葉『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』宮崎駿インタヴュー集」では、雑誌『CUT』と『SIGHT』に掲載された5回分のインタビューがノーカット収録されている背景に触れつつ(初出時は誌面の都合で削られた部分も本書では完全収録)coaching-labo.co.jp、宮崎作品の舞台裏や高畑勲・庵野秀明・押井守ら他の映画監督について語られる内容の興味深さを述べていますarashi-golf.hatenablog.jp。レビューでは「渋谷陽一氏が宮崎監督を無条件に礼賛するのではなく、自身の思い込みをぶつけて宮崎監督の反応・本音を引き出すやり取りも面白い」と指摘されておりarashi-golf.hatenablog.jp、インタビューの対話スタイルが批判的検証になっている点が評価されています。記事末には本書の文庫化や続編(『続・風の帰る場所』)の出版にも言及がありますarashi-golf.hatenablog.jp。※初版の出版社はロッキング・オンarashi-golf.hatenablog.jp。 
- 「じゅうのblog」(gooブログの読書感想ブログ) – 2024年6月19日付の記事「『風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡』 宮崎駿」では、読者視点の感想ながら分析的なコメントも見られます。筆者は**「渋谷陽一が宮崎駿の素顔を巧く引き出している印象」であり、「発想の源泉や背景について深く探求しているので、宮崎駿作品への理解が深まり、宮崎駿の思想や哲学に触れることができた」**と述べておりblog.goo.ne.jp、本書を読むことで宮崎監督の思考プロセスや作品観への洞察が深まったと評価していますblog.goo.ne.jp。また宮崎監督の印象的な発言(チャップリン映画やディズニー批判、「世界は光と陰で成り立っている」等)も引用し、ファンやアニメ愛好者にとって貴重な一冊だと結論付けています。 
- 株式会社コーチビジネス研究所(CBL)公式サイトのコラム – ビジネスコーチング企業の公式サイト上で、2023年9月13日公開のコラム記事「『風の帰る場所』によって、宮崎駿さんの作品論、思想、そして哲学を語り合う1on1ミーティング(その1)」がありますcoaching-labo.co.jp。これはビジネスコーチ同士の対話形式で本書の内容を議論したユニークなレビュー記事です。記事内では**「1990年から12年間の間に渋谷陽一さんは宮崎駿さんに5回ほどインタビューしています。そのすべてを余すことなく…逐語的に再現した本なんですね」と本書の成り立ちを紹介しつつcoaching-labo.co.jp、宮崎監督の発言や思想をエグゼクティブ・コーチングの視点で捉え直しています。コーチング的観点から、宮崎監督の“口当たりのよくない”本音を引き出す渋谷氏の対立型インタビュー**手法に注目し、リーダーの自己開示を促すヒントとして本書を読む、といった分析が展開されていますcoaching-labo.co.jpcoaching-labo.co.jp。ビジネス系サイトのコラムですが、結果的に本書の内容を批評的に掘り下げたレビューとなっています。 
- その他の書評サイト・ブログ: 上記以外にも、本書の書評は多数見つかります。例えば老舗書評ブログ「黒夜行」でも本書のレビュー(FC2ブログ、記事No.2566)が投稿されており、筆者は**「本書はとにかく、宮崎駿の言葉が非常に面白い」として大量の引用を交え感想を記しています(宮崎監督の発言の生々しさ自体が読みどころであるとの趣旨)coaching-labo.co.jp。また「本と奇妙な煙」というブログ(はてなダイアリー)では2006年に本書から抜粋した宮崎監督の発言を紹介する記事があり、当時の読者にも宮崎発言集として衝撃を与えた様子が伺えます。さらに、仙台の税理士法人スタッフブログ内の読書コーナーでも本書が取り上げられており(2024年8月8日「今読みたい本」第331回)、「インタビュー形式で宮崎さんのありのままの言葉が掲載されているので本人の価値観が鮮明に感じられる」**と紹介されていますtasky.tax。このように、一般の読者レビューだけでなく専門家やブロガーによる分析的な書評が幅広い媒体で展開されています。 
参考サイト一覧(日本語):
- かぐらかのん(書評ブログ) – 書籍レビュー「『風の帰る場所』宮崎駿」kagurakanon.hateblo.jp 
- 山本蓮花「小説には書けないあれこれ」(作家ブログ) – 宮崎駿インタビュー集の批評記事renge-blog.com 
- 「嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2」(書評ブログ) – 書籍紹介・感想記事arashi-golf.hatenablog.jpcoaching-labo.co.jp 
- 「じゅうのblog」(gooブログ) – 読書感想記事blog.goo.ne.jp 
- コーチビジネス研究所 公式サイト – コラム記事(1on1ミーティング形式の書評)coaching-labo.co.jpcoaching-labo.co.jp 
- 黒夜行(FC2書評ブログ) – 書籍レビュー記事(宮崎発言引用中心)coaching-labo.co.jp 
- 本と奇妙な煙(はてなブログ) – 宮崎駿インタビュー抜粋紹介記事 
- タスキー税理士法人ブログ「今読みたい本」 – スタッフによる書評(第331回)tasky.tax 
