2025年9月13日土曜日

VT11はPDP-11用のベクター描画プロセッサで、座標と命令語を順番に送り込むだけで滑らかな線を描けるのが特徴です。

 VT11はPDP-11用のベクター描画プロセッサで、座標と命令語を順番に送り込むだけで滑らかな線を描けるのが特徴です。MOVで移動、DRWで線を引き、INTで輝度調整、ORGSCLで座標系を変えます。部品化やスケーリングで再利用し、線分数を抑えてフリッカーを防ぐのがコツです。

  • 画面はラスターではなくベクター線分で構成。

  • CPU(PDP-11)が命令語+座標データをVT11のI/Oレジスタ(UNIBUS)へ順送。

  • VT11がブラウン管のX/Y偏向と**輝度(Z軸)**を直接制御して線を引く。

  • 1フレーム内に描く線分が増えるとフリッカーが出るため、輝度と線分数のバランス調整が要点。


代表コマンド(概念)

実機では命令語のビット配置で指定しますが、意味だけ掴める名前にしています。

コマンド役割(ざっくり)
CLR (Clear)全面消去/帰線。次フレーム開始前に使用。
MOV x,y (Move, beam off)ペンを上げて座標へ移動(輝度オフ)。
DRW x,y (Vector draw)現在位置から(x,y)へ線を引く(輝度オン)。短ベクタを多用。
INT level (Intensity)線の明るさを設定。フリッカー対策にも効く。
SCL s (Scale)スケール(増幅)係数。モデル⇄画面の倍率調整。
ORG x0,y0 (Origin)原点(ベース)を再設定。ワールド座標→画面座標の基準に。
CHR c (Stroke char)線画フォントで文字cを描く(内部は細い線分の集合)。
JSR/JMP (Subr)サブルーチン呼出。部品図形を再利用して負荷軽減。
WAIT/SYNC垂直同期待ち・安定化。