『宝島』あとがき系(「My First Book: Treasure Island」などの覚書)
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出発点は“宝の地図”。雨の日に息子と描いた地図が物語を呼び込む。
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少年冒険小説の快楽=スピード、意外性、場面転換。章末フックを徹底。
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人物の両義性を重視(シルヴァーは魅力的で恐ろしい)。
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“場所の手触り”と航海記法:地名・物の具体で読者を運ぶ。
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連載→単行本化の経緯と、読者層(子ども+大人)二層への自覚。
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文体は簡潔・迅速、視点の安定で没入を保つ。
『ジキルとハイド』あとがき系(「A Chapter on Dreams」等の回想)
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着想は夢。悪夢の断片が場面・筋立てを供給。
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初稿は妻の批評で焼却→全面書き直し、寓話性を強化。
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テーマ:善悪分離の不可能、自己欺瞞、近代都市の匿名性。
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技法:複数文書・供述・手紙で“遅延開示”をつくるミステリー構造。
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“科学×ゴシック”の均衡—医学的写実より道徳寓話として設計。
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出版直後の反響と舞台化・検閲の余波に言及。
スティーヴンソン一般の“後書き的”主張
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物語の純粋な楽しさの擁護(ロマンス礼賛)。
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明晰・軽快な文体、地図・地名・具体物で世界を立ち上げる。
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子ども/大人の二重読者を想定し、倫理とスリルを両立。