2025年8月26日火曜日

スティーブンソンの後書きまとめ

 

『宝島』あとがき系(「My First Book: Treasure Island」などの覚書)

  • 出発点は“宝の地図”。雨の日に息子と描いた地図が物語を呼び込む。

  • 少年冒険小説の快楽=スピード、意外性、場面転換。章末フックを徹底。

  • 人物の両義性を重視(シルヴァーは魅力的で恐ろしい)。

  • “場所の手触り”と航海記法:地名・物の具体で読者を運ぶ。

  • 連載→単行本化の経緯と、読者層(子ども+大人)二層への自覚。

  • 文体は簡潔・迅速、視点の安定で没入を保つ。

『ジキルとハイド』あとがき系(「A Chapter on Dreams」等の回想)

  • 着想は夢。悪夢の断片が場面・筋立てを供給。

  • 初稿は妻の批評で焼却→全面書き直し、寓話性を強化。

  • テーマ:善悪分離の不可能、自己欺瞞、近代都市の匿名性。

  • 技法:複数文書・供述・手紙で“遅延開示”をつくるミステリー構造。

  • “科学×ゴシック”の均衡—医学的写実より道徳寓話として設計。

  • 出版直後の反響と舞台化・検閲の余波に言及。

スティーヴンソン一般の“後書き的”主張

  • 物語の純粋な楽しさの擁護(ロマンス礼賛)。

  • 明晰・軽快な文体、地図・地名・具体物で世界を立ち上げる。

  • 子ども/大人の二重読者を想定し、倫理とスリルを両立。