2025年9月6日土曜日

ブロックチェーンがプライバシーについて二極化をもたらすと仮定できますか?

 ざっくり言うと「開示ど真ん中のKYCゾーン」と「選択的秘匿ゾーン」の二極化です。

  • 規制ドリブンに“丸見え化”
    FATFのトラベルルールやEUの新AML規則で、送受信者情報の伝達・匿名口座の禁止などが強化。結果、取引所や“規制対応型L1/L2”は高開示へ収束します。FATFコンシリウムノートン・ローズ・フルブライト

  • 産業側の「公開」圧力
    MiCAは発行体にホワイトペーパーの詳細開示を義務づけ、広告表現の制約も。コンプラ重視のRWAやステーブル群は“見せる”設計に寄ります。EUR-Lex+1

  • 逆方向の“秘匿”技術も進化
    Zcashのzk-SNARK、Aztecなどのプライバシー志向ZKロールアップ、FHE系L2(Fhenix等)が計算や状態そのものを暗号化して選択的開示を可能に。Zcash DocumentationZ.CashAztec DocumentationCoinDeskChainwire

  • 「選択的ディスクロージャー(zkKYC)」の台頭
    Polygon ID等のVC/zk証明で、必要最小限だけ証明(例:年齢/KYC済み)する実装が増加。全面開示と完全秘匿の中間が厚くなります。PolygonCryptoSlate

  • 監視の“性能向上”が分極を補強
    研究・実務のアドレス/トランザクション・クラスタリングで疑似匿名は可視化されやすい。可視ゾーンはより透明に、秘匿ゾーンはより強い暗号へ。コンピュータサイエンスUSENIX

  • エンフォースメントの揺れ
    Tornado Cash制裁(2022)→訴訟・取扱い指針・最近の動きまで、プライバシー手段と法執行の綱引きが続いています。U.S. Department of the Treasury+1Axios

帰結(実務の前提)

  1. CEX/規制対応L2/許可型チェーン=高開示・追跡前提

  2. ZK/FHE系L2・プライバシー通貨=選択的秘匿前提

  3. 中間層=zkKYC+ログ最小化の設計(監査には耐え、個人情報は出さない)

いまの設計指針(簡潔)

  • 開示と秘匿の分離”を要件化:公開メタデータと秘匿データの境界を明文化

  • zkKYC/VCで二値KYCを脱し、「条件を満たす」のみ証明

  • 監査用ログは保持、公開ログは最小限・選択的

  • 地域展開はMiCA/AML/トラベルルール差分表で運用

秘匿方向のweb3のweb2と比較した利点を教えてください

 

  • 最小開示(Selective Disclosure)
    zk/VCで「18歳以上」等だけ証明。Web2は本人情報そのものを提出・保管しがち。

  • 計算の秘匿
    MPC/FHE/TEE等で“中身を見ずに計算”。Web2は担当者や運営が内容を閲覧し得る。

  • 検証可能で非公開
    第三者は“正しさの証明”だけ検証でき、基データは非公開のまま。Web2は監査で原本提出が前提。

  • プラットフォーム横断の再利用
    一度の証明(VC/zk)を別サービスでも使い回せる。Web2はサービスごとに再登録・再提出。

  • 公開台帳との“選択的接続”
    ステルスアドレス/シールドプール等で取引のリンク性を制御。Web2は中央DBで統合・突合されやすい。

  • コンプライアンスの“コード化”
    「証明が無ければスマコン実行不可」など、運用ではなく実装で強制。Web2はポリシー・監査依存。

  • 監査の低侵襲化
    View key/監査用鍵で“必要範囲のみ”開示。Web2は全件エクスポートや現地監査が必要になりがち。

  • 漏洩リスクの縮小
    そもそも個人データを“保持しない”設計が可能。Web2は保有前提で漏洩面積が大きい。

  • 耐検閲・停止点の分散
    分散台帳+リレー/ロールアップで単一停止点を回避。Web2は事業者・国境で遮断されやすい。

  • メタデータ分離
    コミットメント/ノート設計で金額・相手・頻度などの露出を抑制。Web2は決済・広告事業者に集約。

代表ユースケース

  • 年齢/居住地などの属性証明(本人情報は非開示)

  • プライベート投票・評議(正当性は公開、投票内容は秘匿)

  • 企業間の機微データ連携(合算/検証のみ共有、原データは秘匿)

  • 地域/資格限定のエアドロップ(条件充足のみ証明)

注意:L1の透明性、オンランプ/KYCでの再識別、解析による追跡リスクは残ります。**“何を公開し、何を証明だけにとどめるか”**の設計が肝要です。

確率質量関数(PMF)と期待値の関係|サイコロとコイントスで直感的に理解

確率質量関数(PMF)と期待値の関係|サイコロとコイントスで直感的に理解

確率質量関数(PMF)と期待値の関係|サイコロとコイントスで直感的に理解

確率質量関数(PMF)は離散確率変数が各値をとる確率を与える関数です。本稿ではPMFを使って期待値をどのように計算するかを、サイコロとコイントスの例で整理し、ベルヌーイ/二項分布やエントロピーとの関係まで簡潔に補足します。

保管版HTML(元記事:note) / 最終更新: 2025-09-06


補足①:定義の再確認(PMFと期待値)

離散確率変数 \(X\) のPMFを \(p(x)=P(X=x)\) とすると、期待値は

\[ E[X]=\sum_{x} x\,p(x) \]

となります。サイコロでは \(p(1)=\cdots=p(6)=1/6\) なので

\[ E[X]=\frac{1+2+3+4+5+6}{6}=3.5 \]

—「平均的に得られる値」を表します(実際に出る値とは限りません)。

補足②:ベルヌーイ分布の期待値と分散(式の最短導出)

コイントスのように \(X\in\{0,1\}\)、成功確率 \(p\) のとき

\[ E[X]=p, \quad \mathrm{Var}(X)=p(1-p) \]

はPMFから1行で導けます(\(E[X]=0\cdot(1-p)+1\cdot p\))。検索意図に合う公式明示で到達性を高めます。

補足③:二項分布への一般化(頻出QA対策)

独立なベルヌーイ試行を \(n\) 回:

\[ E[X]=np, \quad \mathrm{Var}(X)=np(1-p) \]

「コイントスを何回も」は実用的な問い合わせが多く、最短で応答できるよう公式を記載しておきます。

補足④:PMF・PDF・CDFの違い(1分要約)

  • PMF:離散。棒グラフの高さ=確率
  • PDF:連続。曲線の面積=確率(高さそのものは確率ではない)。
  • CDF:閾値以下である確率の累積

検索で混同されやすい用語の「即答」を本文内に用意しておくと流入の取りこぼしを減らせます。

補足⑤:エントロピーとの関係(2値のとき)

二値の不確実性は

\[ H(p)=-p\log_2 p-(1-p)\log_2(1-p) \]

で最大は \(p=0.5\)。本文の話題(シャノン)を式で補強して内部一貫性を高めます。

補足⑥:Python最小コード(張り替え可)

# PMFから期待値を出す最小例(サイコロ)
xs  = [1,2,3,4,5,6]
pmf = [1/6]*6
E = sum(x*p for x,p in zip(xs, pmf))
print("期待値:", E)  # 3.5

# ベルヌーイと二項(導出確認)
p, n = 0.3, 10
E_ber, Var_ber = p, p*(1-p)
E_bin, Var_bin = n*p, n*p*(1-p)
print(E_ber, Var_ber, E_bin, Var_bin)

補足⑦:よくある質問(FAQ)

Q. 期待値は実際に出る値ですか?
A. 平均的傾向を表す量で、必ず観測される値ではありません(サイコロの3.5など)。
Q. 偏りコインの期待値は?
A. 成功確率 \(p\) です(成功=1, 失敗=0 と定義した場合)。
Q. PMFとPDFの違いは?
A. 離散か連続かで解釈が異なります。PMFは高さが確率、PDFは面積が確率です。

メタ情報とタグ

ディスクリプション:確率質量関数(PMF)から期待値をどう計算するかを、サイコロとコイントスで直感的に解説。ベルヌーイ/二項、PMF・PDF・CDFの違い、エントロピーも簡潔に補足。

推奨タグ:#確率 #統計 #期待値 #確率質量関数 #ベルヌーイ #二項分布 #エントロピー


© 2025 Minoru Oka(保管用HTML)。本ページは元記事の構成を尊重し、最小限の補足を加えています。

🧙‍♂️補完ページ|アキネーターの仕組みと決定木(ジニ不純度・情報利得の可視化)

補完ページ|アキネーターの仕組みと決定木(ジニ不純度・情報利得の可視化)

補完ページ|アキネーターの仕組みと決定木

note本編: 『アキネーターの仕組みと決定木アルゴリズム』へ

このページは学術・教育目的の補助資料です。Akinator™はELOKENCE社の登録商標であり、本ページは非公式・非営利の解説です。

このページでできること

  • ジニ不純度 $G=1-\sum_k p_k^2$ とエントロピー $H=-\sum_k p_k\log_2 p_k$ の式と意味を確認
  • 分割後の加重ジニ・情報利得のインタラクティブ計算
  • 小さなデータで最良の質問(はい/いいえ)を自動提案するミニデモ
  • 擬似コードをJavaScriptの最小実装で確認

数式リファレンス(表示はMathJax)

ジニ不純度

クラス確率 $p_k$ の集合に対して:

$$ G = 1 - \sum_{k=1}^{K} p_k^2 $$

$G=0$ は完全純粋(1クラスのみ)、最大は多クラスが均等なとき。

情報利得(エントロピー基準)

親ノードのエントロピー $H(\text{parent})$ と、分割後の加重エントロピー $\sum_i w_i H(\text{child}_i)$ の差:

$$ IG = H(\text{parent}) - \sum_i w_i H(\text{child}_i),\quad H=-\sum_k p_k\log_2 p_k $$

ジニ/情報利得 計算ツール

2クラス想定(拡張可)。左右の子ノードの件数を入力すると、親分布→ジニ/エントロピー→加重平均→利得を計算します。

左ノード


右ノード


結果

指標

例は本編の説明(アニメ/非アニメ)に合わせた初期値。利得が大きいほど良い質問です。

最良質問サジェスタ(ミニ・アキネーター)

下の小データ(6キャラ×属性)から、はい/いいえで最も分割効果(ジニ減少)が高い質問を提示します。回答するとフィルタされ、次の最良質問を更新します。

名前アニメ?人間?魔法?20世紀登場?

※データは教育目的のフィクション/一般概念です。

擬似コード → JavaScript(最小実装)

最小ループ
// yes/no三値(yes/no/unknown)対応の最小実装
function bestQuestion(rows, attrs){
  // 各属性でジニ減少(親G - 加重子G)を評価
  const parentG = gini(rows.map(r=>r.cls));
  let best = {attr:null, gain:-Infinity, split:null};
  for(const a of attrs){
    const left = rows.filter(r=>r[a]===true);
    const right = rows.filter(r=>r[a]===false);
    if(left.length===0 || right.length===0) continue; // 無効な分割
    const wL = left.length/rows.length, wR = right.length/rows.length;
    const gL = gini(left.map(r=>r.cls));
    const gR = gini(right.map(r=>r.cls));
    const gain = parentG - (wL*gL + wR*gR);
    if(gain > best.gain) best = {attr:a, gain, split:{left,right}};
  }
  return best;
}
ジニ/エントロピー関数
function gini(classes){
  const n = classes.length; const counts = {};
  for(const c of classes) counts[c] = (counts[c]||0) + 1;
  let sumSq = 0; for(const k in counts){ const p = counts[k]/n; sumSq += p*p; }
  return 1 - sumSq;
}
function entropy(classes){
  const n = classes.length; const counts = {};
  for(const c of classes) counts[c] = (counts[c]||0) + 1;
  let h=0; for(const k in counts){ const p = counts[k]/n; h += -p*Math.log2(p); }
  return h;
}

用語ミニ辞典

  • ジニ不純度:ノード内の混ざり具合(0=純粋)。分割の良さは「親ジニ − 加重子ジニ」。
  • 情報利得:エントロピー基準の利得。決定木ではID3/C4.5系で使用。
  • 刈り込み(Pruning):過学習を避けるために木を縮める操作。

ライセンスと注意

この補完ページは CC BY-SA 4.0 相当での再利用を許諾します(本文・コード部)。Akinator™等の商標・画像は各権利者に帰属します。

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Googleスプレッドシートで「Feb 13, 2022」の翌日の曜日を取得するには、=TEXT(DATEVALUE(TEXT(C4, "mmm dd, yyyy")) + 1, "dddd") を使います。

 Googleスプレッドシートで「Feb 13, 2022」の翌日の曜日を取得するには、=TEXT(DATEVALUE(TEXT(C4, "mmm dd, yyyy")) + 1, "dddd") を使います。+1 で1日加算され、TEXT(..., "dddd")で曜日が表示されます。日本語表示なら "aaaa" に変更も可能です。


フレネル反射(Fresnel Reflectance)

この映像は、青い球体が中央に浮かび、その縁が角度によって白く輝いて見えるという、ガラス玉のようなリアルな印象を与えます。これは**フレネル反射(Fresnel Reflectance)**という技法によって実現されています。フレネル反射とは、物体の表面に対して見る角度が浅くなるほど、より多くの光が反射されて白っぽく見えるという、現実の光の性質を再現する手法です。たとえば水面を真上から見ると透明でも、斜めから見ると白く反射するような現象と同じです。この視線と表面のなす角を「内積」という計算で求め、それをもとに色の混ざり具合を決めています。球体の輪郭が白く光って見えるのは、この内積の値をもとに、中心の青と縁の白を段階的に混ぜているからです。混ぜる割合は、距離や角度によって変化し、自然なグラデーションを生み出します。これにより、物体の立体感や透明感が強調され、見る者にリアルで物理的な存在感を感じさせるのです。このような効果は、変数名ではnormal(表面の向き)とviewDir(視線の向き)、そしてそれらのdot(内積)によって計算され、fresnelという変数にその強さが保存されています。その後、mixという関数で基本色と反射の色が滑らかに合成され、最終的な色となって表示されます。こうした工程がすべて1フレームごとに計算されており、視点や時間に応じて連続的に変化します。このように、数式だけで物理的な印象を視覚的に再現できるのがGLSLの大きな魅力です。




パブリックドメイン(自由に利用可)の「アトラス」作品

パブリックドメイン(自由に利用可)の「アトラス」作品があります。高解像度でダウンロードできる代表例を挙げます。

  • ジョン・シンガー・サージェント《アトラスとヘスペリデス》(1922–25)— ボストン美術館のオープンアクセス作品。所蔵ページから高解像度画像を取得できます。 MFA Collections+1

  • グエルチーノ《天球を支えるアトラス》(1646)— ウィキメディア・コモンズに公有(PD)として掲載。大きな画像がそのまま利用できます。 Wikimedia Commons

  • ルーカス・クラナハ(父)《ヘラクレスがアトラスを解放》(c.1530)— 米国ナショナル・ギャラリー(NGA)のオープンアクセス。ダウンロード可・公有。 nga.gov

  • エドワード・バーン=ジョーンズ《石に変えられたアトラス》(1878)— コモンズで公有として公開。大画像あり。 Wikimedia Commons

  • ベルナール・ピカール工房《天を支えるアトラス》(1731)— アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)所蔵、Public Domain Mark 1.0。 Google Arts & Culture

あわせて、メトロポリタン美術館の「Open Access」で“Atlas”を検索すると、自由利用できる関連版画・素描が多数見つかります。 The Metropolitan Museum of Art