「余ったぶんが企業のもうけ」は、学術的にはマルクスの基本定理(FMT)の中身です。すなわち、(線形生産の枠で)労働が生む付加価値が賃金を上回る=余りが出る(“搾取”>0)なら、経済全体で正の利潤率が成立し、逆も成り立つ——という同値関係を厳密に示した命題です(森嶋→ローマーの系譜)。viiper.at+1 一方で、置塩定理は別の主張で、実質賃金が一定のまま費用削減型の新技術が採用されるなら、新しい均衡では一般利潤率が上昇すると証明します。ここでは「余り=もうけ」の存在同値ではなく、技術革新と利潤率の比較静学を述べている点が違いです。Wikipedia+1 これらはいずれもスラッファの価格論(長期には一様利潤率が分配パラメータとして現れる)を背景に整理され、利潤率は直観的に**資本の平均利回り(利子率に相当)**と読めます。ianwrightsite.files.wordpress.com+1 なお近年は、置塩の賃金一定を緩めた拡張や、FMTの定義・均衡概念を精査する再検討も進み、条件次第で結論が変わり得る点も示されています。arxiv.org+1