2026年2月17日火曜日

ハドル(デイリースクラム)の概念に関わる主要資料を年代順に列挙します。

 

  • 1978年:大野耐一『トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして』 – トヨタ生産方式の基本原理を体系化し、生産現場での「カイゼン」(改善)活動や作業リズムの重要性を提唱(原典)。
  • 1986年:Takeuchi & Nonaka『The New New Product Development Game』(Harvard Business Review) – トヨタ流の生産思想を製品開発に応用し、プロセスを「ラグビーのハドル(円陣)」に喩えて紹介。製品開発を短期リリースと並行作業で行う「スクラム型」開発のコンセプトが初めて提示された(原典)。
  • 1993年:Jim Coplien「StandUpMeeting」パターン – ソフトウェアパターン言語の中で、短時間かつ立ち会いで行うデイリーミーティング「StandUpMeeting」を記述(Pattern社)。
  • 1994年:Jim Coplien「Quattro Pro」事例 – Borland社のQuattro Pro開発チームが毎日の会議を重視し、高い生産性を実現していた事例を報告(発表)。Agile Allianceによれば、Coplienはこの「超生産的」チームの様子を「プロジェクトは会議で成り立っていた」と述べ、スクラムへの強い影響を示唆している
  • 1995年:Ken Schwaber「Scrum Development Process」(OOPSLAワークショップ発表) – Schwaberがスクラムプロセスを最初に体系化。論文では、タスクをブラックボックス化して小規模スプリントで開発する手法が紹介され、後年のスクラムガイドの基礎となった
  • 2001年:アジャイルソフトウェア開発宣言(Agile Manifesto) – Kent Beckら17名によるソフトウェア開発の価値観宣言。個人と対話、動くソフト、顧客協調、変化への対応を重視する価値観を掲げ、アジャイル手法全体の指針とした
  • 2001年:Schwaber & Beedle『Agile Software Development with Scrum』 – スクラムを体系的に解説した初の書籍(Addison-Wesley)。
  • 2010年以降: スクラムガイド(Ken Schwaber, Jeff Sutherland)が正式に発行。最新版(2020年版日本語訳)では、「デイリースクラムはスクラム開発者のための15分間のイベント。毎日同じ時間・場所で行い、スプリントゴールに対する進捗を検査・適応させる目的がある」と定義。さらに「コミュニケーション改善、障害物特定、迅速な意思決定を促進し、その結果ほかの会議を不要にする」と明記されている