2026年2月11日水曜日

電気のハイプサイクル

 

電力発明期(おおむね1800から1920)のハイプサイクル案

1) 技術の導火線(Innovation Trigger) 1800から1860ごろ

  • 電池(Volta電池)で「連続電流」が現実化(研究が加速)

  • 電磁気・発電原理(誘導)など、発電機の理屈が固まる(産業化の土台)

2) 過度な期待のピーク(Peak of Inflated Expectations) 1878から1884ごろ

  • 電灯の実用化と都市の“夜が変わる”体験が世間を直撃(投資・起業が過熱)

  • 中央発電所ビジネスが始動(例:ニューヨークのPearl Street Stationが1882-09-04に送電開始)Wikipedia+1

  • ここで「電気は全産業を即座に置き換える」級の期待が膨らむ

3) 幻滅の谷(Trough of Disillusionment) 1884から1890ごろ

  • 直流(DC)の配電距離の限界、事故・安全不安、規格乱立、採算問題が噴出

  • いわゆる“電流戦争”で技術選定が政治・世論戦になり、導入が一時停滞(都市ごとに混乱)

4) 啓発の坂(Slope of Enlightenment) 1890から1905ごろ

  • 変圧器+高電圧交流(AC)で「遠くへ運べる」優位が実証され、設計が現実路線へ

  • 1893年のシカゴ万博(World’s Columbian Exposition)で大規模照明が象徴イベントに(開催は1893-05-01から10-31)Wikipedia+1

  • ナイアガラのAdams水力発電所が1895-08-26に稼働(AC送電の勝利を象徴)ETHW+1

5) 生産性の安定期(Plateau of Productivity) 1905から1920ごろ(地域差あり)

  • 発電・送電・配電の“規格と運用”が整い、投資がインフラ型に落ち着く

  • 工場の電動機、家庭の電化(照明、家電の前段)が「当たり前」になっていく

  • 以後は“電気そのもの”より「電気で動く新製品(家電・通信・娯楽)」が次のハイプ対象へ


ざっくり曲線イメージ(年は目安)

  • 上昇:1878から1884(電灯+発電所)

  • 谷:1884から1890(DC限界・安全・規格乱立)

  • 再上昇:1890から1905(AC送電の確立、1893万博、1895ナイアガラ)

  • 定着:1905から1920(インフラ化)


使い分けのコツ(精度を上げる方法)

同じ「電力」でも、実はハイプサイクルが複数あります。

  • 照明(体験が強いのでピークが早い:1870年代後半から1880年代)

  • 送電(ACで再ブースト:1890年代)Wikipedia+1

  • モーター・産業電化(普及定着が長い:1900年代以降)

  • 家庭電化(地域差が大きく、さらに後ろへ伸びる)