クリンゲルベルクの戦争ゲームという言い方は、一般には
プロイセン軍で発展した「Kriegsspiel(クリークスシュピール)」
すなわち 19世紀の軍用ウォーゲームのことを指します。
ただし、厳密には「クリンゲルベルク」という人物が創始者ではなく、
中心人物は ライスヴィッツ(Reisswitz)父子です。
混同や表記ゆれで別名が出ることがあります。
概要(短く)
Kriegsspielは
**「地図の上で戦争を再現する軍用シミュレーション」**で、
現代のボードゲームや戦略ゲームの祖先です。
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時代:19世紀初頭(ナポレオン戦争後)
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国:プロイセン王国
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用途:将校の教育・戦術訓練
誕生の流れ
1. 原型(18世紀末)
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チェス型の「戦争ゲーム」は存在していた
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ただし抽象的で、現実の戦争とは違った
2. ライスヴィッツ父(1812年頃)
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地形模型を使った戦争シミュレーションを制作
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王族の娯楽・教育用
3. ライスヴィッツ子(1824年)
ここで革命が起きます。
本物の地図を使う現実的な戦争ゲームを開発。
特徴:
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実際の地形図
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部隊ごとの移動速度
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射撃距離
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損害計算
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審判(レフェリー)方式
これが現代ウォーゲームの原型です。
ゲームの仕組み
基本構造
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大きな地図を机に広げる
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部隊コマを配置
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プレイヤー(将校)が命令を書く
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審判が結果を計算
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戦況が更新される
特徴
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完全情報ではない
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視界外の敵は見えない
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命令伝達の遅れも再現
つまり
現実の戦争の不確実性を再現したゲームでした。
なぜ重要か
軍事史上の意味
Kriegsspielは単なる遊びではなく、
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参謀教育の中核
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作戦立案の訓練
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判断力の養成
に使われました。
その結果:
プロイセン軍は戦争準備の質で欧州最強になった
と言われています。
特に有名なのは:
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普仏戦争(1870年)
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プロイセンの圧勝
この勝利の背景に
Kriegsspielによる参謀教育があったと評価されています。
現代への影響
Kriegsspielの思想はそのまま受け継がれています。
軍事
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現代の作戦シミュレーション
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NATOの演習
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コンピュータ戦略シミュレーション
ゲーム文化
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ボードウォーゲーム
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TRPG
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リアルタイムストラテジー
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不完全情報ゲーム(人狼・Among Usなど)
本質的な発明
Kriegsspielの革新は次の3点です。
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現実の地図を使う
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数値ルールで結果を出す
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審判が戦況を管理する
これは現在の
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シミュレーション
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戦略ゲーム
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AI戦術モデル
の基本構造と同じです。