2026年2月5日木曜日

クリンゲルベルクの戦争ゲーム(Kriegsspiel)について教えてください

 クリンゲルベルクの戦争ゲームという言い方は、一般には

プロイセン軍で発展した「Kriegsspiel(クリークスシュピール)」
すなわち 19世紀の軍用ウォーゲームのことを指します。

ただし、厳密には「クリンゲルベルク」という人物が創始者ではなく、
中心人物は ライスヴィッツ(Reisswitz)父子です。
混同や表記ゆれで別名が出ることがあります。


概要(短く)

Kriegsspiel
**「地図の上で戦争を再現する軍用シミュレーション」**で、
現代のボードゲームや戦略ゲームの祖先です。

  • 時代:19世紀初頭(ナポレオン戦争後)

  • 国:プロイセン王国

  • 用途:将校の教育・戦術訓練


誕生の流れ

1. 原型(18世紀末)

  • チェス型の「戦争ゲーム」は存在していた

  • ただし抽象的で、現実の戦争とは違った

2. ライスヴィッツ父(1812年頃)

  • 地形模型を使った戦争シミュレーションを制作

  • 王族の娯楽・教育用

3. ライスヴィッツ子(1824年)

ここで革命が起きます。

本物の地図を使う現実的な戦争ゲームを開発。

特徴:

  • 実際の地形図

  • 部隊ごとの移動速度

  • 射撃距離

  • 損害計算

  • 審判(レフェリー)方式

これが現代ウォーゲームの原型です。


ゲームの仕組み

基本構造

  1. 大きな地図を机に広げる

  2. 部隊コマを配置

  3. プレイヤー(将校)が命令を書く

  4. 審判が結果を計算

  5. 戦況が更新される

特徴

  • 完全情報ではない

  • 視界外の敵は見えない

  • 命令伝達の遅れも再現

つまり
現実の戦争の不確実性を再現したゲームでした。


なぜ重要か

軍事史上の意味

Kriegsspielは単なる遊びではなく、

  • 参謀教育の中核

  • 作戦立案の訓練

  • 判断力の養成

に使われました。

その結果:

プロイセン軍は戦争準備の質で欧州最強になった
と言われています。

特に有名なのは:

  • 普仏戦争(1870年)

  • プロイセンの圧勝

この勝利の背景に
Kriegsspielによる参謀教育があったと評価されています。


現代への影響

Kriegsspielの思想はそのまま受け継がれています。

軍事

  • 現代の作戦シミュレーション

  • NATOの演習

  • コンピュータ戦略シミュレーション

ゲーム文化

  • ボードウォーゲーム

  • TRPG

  • リアルタイムストラテジー

  • 不完全情報ゲーム(人狼・Among Usなど)


本質的な発明

Kriegsspielの革新は次の3点です。

  1. 現実の地図を使う

  2. 数値ルールで結果を出す

  3. 審判が戦況を管理する

これは現在の

  • シミュレーション

  • 戦略ゲーム

  • AI戦術モデル

の基本構造と同じです。