アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)の中でも「まず図版の密度で圧倒される」タイプの作家が、スイスのアドルフ・ヴェルフリです。ベルン近郊の精神科施設ヴァルダウ(Waldau)で制作を始め、絵・文章・数字・音符・コラージュが渾然一体となった“宇宙”を自作本として積み上げました。全45冊・約25,000ページ規模というボリューム自体が入口になります。
アドルフ・ヴェルフリ おすすめの最初の1冊
アドルフ・ヴェルフリ:二萬五千頁の王国(国書刊行会)
日本語で「まず一冊」ならこれが一番踏み外しにくいです。本邦初の本格画集として位置づけられ、作家の全体像(生涯と制作のスケール感)を掴む用途に向きます。
The Art of Adolf Wölfli: St. Adolf-Giant-Creation
英語圏の定番級。ヴェルフリの巨大プロジェクト(“St. Adolf-Giant-Creation”)を、図版と解説で「作品の中の仕組み」まで追えるタイプです。制作物が45冊+ノート類に及び、絵とテキスト、音楽要素が重層する点の理解に向きます。
Adolf Wölfli|Art RANDOM CLASSICS(都築響一 監修系)
作品を「数点ずつ強い図版で浴びる」入り方をしたい場合に相性が良いシリーズ枠です。まず視覚で好きになってから背景を追う導線になります。
FAQ
Q. アドルフ・ヴェルフリとは?
A. スイスのアウトサイダー・アート作家。ヴァルダウで制作を始め、膨大な自作本(45冊級)として作品世界を構築しました。
Q. 作品のいちばんの特徴は?
A. 絵だけでなく、文章・数字・装飾的な記譜・コラージュが同じページに密集し、ページ自体が「地図」や「楽譜」や「物語」になります。
Q. 「St. Adolf-Giant-Creation(聖アドルフ巨大創造)」って何ですか?
A. ヴェルフリ自身が組み上げた巨大な総合作品群の呼び名として流通しています。45冊+ノート類、約25,000ページ級の規模として紹介されます。
Q. 初心者はどの版を買えばいい?
A. 日本語で全体像を掴むなら『二萬五千頁の王国』。その後、英語の大型本で図版密度と構造を追うのが失敗しにくい順序です。
Q. 展覧会や資料はどこで追えばいい?
A. 公式アーカイブ系(ヴェルフリの作品紹介サイト)と、美術館の特設ページやレビューを定点観測するのが確実です。