2025年9月13日土曜日

1943年、マカロックとピッツは閾値を越えれば1、越えなければ0を返す論理ニューロンで「加重総和→ステップ関数」という計算枠組みを示した。

 1943年、マカロックとピッツは閾値を越えれば1、越えなければ0を返す論理ニューロンで「加重総和→ステップ関数」という計算枠組みを示した。1949年、ヘッブが同時活動ニューロン間の結合強化を唱え、重みを動的に学習させる動機付けを与える。1956-57年、ローゼンブラットは400素子の光センサーを“網膜層”S-unitに、乱数配線された中間A-unitを経て1つのR-unitへ収束させるMark I Perceptronを試作し、重み付き和+バイアスが正なら発火とし、誤りが出た入力だけ重みを微調整する学習則を実装。この仕組みはハイパープレーンで空間を二分し、線形分離可能なら有限更新で必ず収束することが証明された。視覚受容器発想から生まれたモデルは畳み込みネットやTransformerの線形層にも受け継がれ、1960年代は手書き文字実験で注目されたが、1969年のミンスキー指摘で停滞。1986年の誤差逆伝播で多層化が復活し、新ブームを支える基盤となった。実機は真空管とフォトセルをIBM704に接続したもので、艦船識別など軍用課題を想定して海軍が資金提供した。成果は「見る機械」と報じられAI研究の第一波を牽引した。


重み付き足し算としきい値(活性化関数)の仕組みは

 重み付き足し算としきい値(活性化関数)の仕組みは、画像・音声を扱うディープラーニングにとどまらず、ロジスティック回帰やサポートベクターマシンの線形判別、適応フィルタによるノイズ除去、ロボットのPID制御、ファジィ推論、生物神経を模した漏れ積分・発火モデル、さらにはニューロモーフィックチップにも広く応用されている。入力が十個でも百万個でも「掛けて足してスイッチに通す」だけなので、ハードからソフトまで実装が容易でスケールもしやすい点が汎用性の源だ。

 バイアスは合計に最後に足す定数で、電卓の「+オフセット」のような役目を果たす。迷惑メール判定では語の得点を足した後、メール全体の平均長さに応じて押し上げ、短文・長文スパム両方へ対応する。医療診断では重みが症状の強さ、バイアスが年齢や季節など背景要因を吸収し、判定基準を適切にシフトさせる。学習では誤差に応じてバイアスも更新され、境界線を平行移動させながら「常に高め」「やや控えめ」などの微調整を自動で実現する。推奨システムでは基準人気度、信用スコアでは景気水準をバイアスで一括調整し、重みが個別事情を割り振る。単純に見えるが、適切な重み付けとバイアス調整こそが実用精度を左右する核心であり、医療画像解析や自動運転でも同じ枠組みがGPUで大量並列計算されている。

量子プログラムを書くときは、まず「SDK(開発用ツール集)」を使います。

 

Slide 1(SDK概観:Qiskit・Cirq・PennyLane)

量子プログラムを書くときは、まず「SDK(開発用ツール集)」を使います。QiskitはIBMが中心となって開発しており、量子回路の作成、最適化(トランスパイル)、実機やシミュレータへの実行まで一通りそろっています。CirqはGoogle系のライブラリで、実機の特性(ゲートの並び方や誤差の傾向)を意識した回路設計がしやすいのが特徴です。PennyLaneは「ハイブリッド学習」に強く、量子回路の出力に対して勾配(パラメータの増減に対する変化)を計算し、古典AIの学習のように最適化できます。実機接続や他のライブラリ連携も整っており、学習用から研究まで幅広く使われています。 IBM Quantum Documentation+2Google Quantum AI+2


Slide 2(クラウド実機と高忠実度シミュレータ)

いま多くの量子計算はクラウド経由で行われます。たとえばAWSの「Braket」では、超伝導方式やイオントラップ方式など複数ベンダーの量子ハードウェア(QPU)と、状態ベクトル法・テンソルネットワーク法などのシミュレータを選んで使えます。実行前にシミュレータで回路やノイズの影響を試し、手応えがあれば実機に送るのが一般的です。さらに「Hybrid Jobs」のような仕組みを使うと、量子計算と古典計算を自動で連携し、必要なクラウド資源を立ち上げて学習ループを回せます。CirqやPennyLaneから特定ベンダーの実機に接続する手引きも公開されています。 AWS Documentation+2AWS Documentation+2


Slide 3(ハイブリッド計算:CPU/GPU+QPU)

量子と古典を組み合わせる「ハイブリッド計算」は、現状の主力です。代表例のVQE(変分量子固有値ソルバ)は、量子回路で物理量の平均値を測り、古典コンピュータが回路のパラメータを更新する反復法です。もう一つのQAOAは、最適化問題に特化したバリエーションで、制約をエネルギー関数に埋め込み、回路の層数や角度を調整して良い解を探します。どちらも「パラメータシフト則」という方法で勾配を計算でき、学習の効率を上げられます。ノイズが多い環境では、測定回数やエラーミティゲーションの工夫が品質を左右します。 Nature+2arXiv+2


Slide 4(ショアの影響と“HNDL”)

量子計算が発達すると、いま広く使われているRSAや楕円曲線暗号(ECC)が、ショアのアルゴリズムで解読される可能性が指摘されています。そこで問題になるのが「Harvest Now, Decrypt Later(いま盗み貯めして、後で復号)」という戦術です。敵対者は現在の暗号通信を保存しておき、将来、強力な量子計算機ができた時点で一気に解読しようとします。米国のCISA・NSA・NISTは、このリスクを踏まえ、暗号資産の棚卸しや移行計画づくりを今から始めるよう推奨しています。長期間秘密にしたい情報ほど、早めの対策が必要です。 U.S. Department of War+1


Slide 5(PQC標準化:格子系ほか)

将来の量子攻撃に耐える「ポスト量子暗号(PQC)」の標準化が進んでいます。NISTは2024年に3つの最終標準を公開しました:鍵共有用のML-KEM(CRYSTALS-Kyber)、署名用のML-DSA(CRYSTALS-Dilithium)とSLH-DSA(SPHINCS+)です。さらに2025年3月には、格子系とは異なる「符号ベース」のHQCをバックアップ用KEMとして選定しました(将来ML-KEMに弱点が見つかった場合に備える位置づけ)。これらは従来のサーバや端末で実装でき、既知の量子攻撃に耐える設計です。 NIST+1


Slide 6(移行ロードマップ:クリプトアジリティ)

PQCへの移行は一朝一夕には進みません。まず、どこでどの暗号が使われ、どんな「機密保持期間(何年守りたいか)」が必要かを棚卸しします。次に、影響の大きいシステムから優先し、既存方式とPQCを並行で使うハイブリッド構成をテスト。証明書・プロトコル・サプライチェーンの更新、性能評価、運用監視を行いつつ段階的に切替えます。CISA・NSA・NISTの共同資料やNIST NCCoEの移行ガイドは、ロードマップや在庫調査のやり方を具体的に示しています。 U.S. Department of War+2NCCoE+2


Slide 7(創薬・材料:量子化学VQEの手順)

分子のエネルギーを正確に計算できると、新薬や新素材の設計が大きく加速します。量子計算では、分子のふるまいを表すハミルトニアンをキュービットに写像し、UCCSDなどの「アンサッツ(仮の波動関数)」で表現してVQEを回します。量子側が期待値を測り、古典側がパラメータを調整して、基底状態エネルギーに近づけていく流れです。VQEは2014年に提案され、多くのレビューで手順が整理されています。ノイズ下ではエラーミティゲーションや活性空間の選び方が精度を左右します。 Nature+1


Slide 8(金融・物流:QUBO/Ising定式化)

巡回セールスマンやポートフォリオ選択などの組合せ最適化は、変数を0/1にしたQUBO(Quadratic Unconstrained Binary Optimization)やIsingモデルに変換して解きます。目的(最小化したい量)と制約を行列や相互作用として表せば、QAOAなどの量子アルゴリズムや量子アニーリングで「コストの低い解」をサンプリングできます。復元や制約修復を行った上で、古典のヒューリスティクスと比べるのが実用化の第一歩です。多くのNP問題がIsingに写像できることは総説で体系化されています。 Frontiers


Slide 9(AI×量子:特徴写像と量子カーネル)

量子回路でデータを高次元の「量子特徴空間」に埋め込むと、SVMのようなカーネル法で分類性能が上がる可能性があります。2019年には超伝導回路上で量子カーネル推定や変分分類器を実験実装した報告がありました。ただし、すべてのデータで有利になるわけではなく、カーネルの推定コストやノイズの影響も考慮が必要です。古典モデルとの厳密なベンチマークを行い、量子が効くデータ構造を見極めることが重要です。 Nature


Slide 10(ユースケース設計:KPIと準備度)

実務で量子の価値を確かめるには、先に「成功条件(KPI)」を決めるのがコツです。たとえば精度・時間・コスト・堅牢性などです。つぎに、(1)データが揃っているか、(2)問題がQUBOやVQEに写像できるか、(3)実機やシミュレータへアクセスできるか、(4)開発・運用を回せるチーム体制があるかを点検します。最初は小さなパイロットで仮説検証し、古典ベースラインと比較して効果が見えた領域から段階的に拡大します(一般指針。出典は各分野の前掲レビュー参照)。 Physical Review Links+1


Slide 11(NISQ→誤り耐性:マイルストーン)

現在はNISQ(ノイズの多い中規模)時代で、長い回路はまだ難しい段階です。次の大きな目標は「論理キュービット」を作り、エラー訂正で誤り率を指数的に下げること。サーフェスコードでは物理キュービット数を増やしてコード距離を伸ばすと、論理誤りが抑えられることが実験で示されました。これが積み上がると、ショアや本格的な量子化学など「誤り耐性が前提」のアルゴリズム実行に近づきます。 arXiv+1


Slide 12(量子インターネットと分散計算)

量子インターネットは、離れた場所に量子もつれを配って、量子テレポーテーションや超高強度の鍵配送(QKD)などを実現する構想です。将来的には、量子コンピュータ同士をつなぎ、分散量子計算を可能にすることも目標です。実現には、量子リピータやエンタングルメント・スワップなどの技術が要ります。ロードマップやビジョンは、科学誌の総説で広く紹介され、段階的に実験ネットワークが拡大しています。 Science+1


Slide 13(社会・経済インパクト)

量子計算が進めば、暗号・医薬・材料・物流・AIなど多くの産業に影響します。一方で、暗号移行の遅れや人材不足、新旧技術の共存コストといった課題も現れます。各国機関は2030年代までの移行を見据え、準備を呼びかけています。結局のところ、「安全に使いこなす」ための標準化・ガバナンス・教育が欠かせません。技術の期待値を丁寧に見積もりつつ、段階的な導入でメリットを最大化する姿勢が重要です。 Financial Times+1

『Race and Racism』全体の内容

 本書は、人種を生物学的に優劣づける考えを否定し、人類を遺伝的差異ではなく文化的多様性で理解すべきだと論じる。序章は「人種の神話」を概観し、人種主義が科学を装いながら政治的目的に奉仕してきた過程を追う。第1部では骨格・皮膚色・血液型などの形質に優劣を読み込む計量人類学を批判し、ナチスのアーリア主義と米国のジム・クロウ法を並置して実証的根拠の欠如を示す。第2部は、パプアやネイティブ・アメリカン、日本社会など多彩な民族誌例を用い、言語・宗教・家族制度が行動規範を形成することを示し、環境と文化が遺伝子より大きく行動を左右すると論証。第3部では、差別の持続を支える経済利害と教育不足を分析し、メディアと学校教育による批評精神の育成を提案する。終章は、差別は普遍化された「信念体系」であり、歴史的産物として変革可能だと結論づけ、人類共通の価値としての民主主義と相互尊重を呼びかける。さらに、戦時下の連帯を阻む偏見の克服こそ平和の前提であると強調し、読者に行動変革を促す。公正な世界実現には科学的識見と文化相対主義が不可欠だと訴える集大成的論考。平易な語り口で実例と統計を示し一般読者にも理解しやすい。


Reviews of 『風の帰る場所』 on Japanese Websites

 

Reviews of 『風の帰る場所』 on Japanese Websites

『風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡』は、ロッキング・オン社から2002年に初刊行され、2013年に文春ジブリ文庫として再刊行された宮崎駿監督のインタビュー集ですarashi-golf.hatenablog.jp(聞き手:渋谷陽一)。この本に関する批評的・分析的な書評は、日本語の書評ブログやコラムサイトなどで多数掲載されています。以下、主な例を媒体情報とともに紹介します。

  • かぐらかのん(Hatena書評ブログ) – 個人ブログ「かぐらかのん」に2019年8月31日付で掲載された書評「『綺麗な嘘』を全力で吐くということ--風の帰る場所(宮崎駿)」では、本書を通じて宮崎駿作品に流れる**“ニヒリズムとヒューマニズム”**という二極のテーマに光を当てていますkagurakanon.hateblo.jp。レビュアーは、渋谷陽一が挑発的な質問で宮崎監督のニヒリスト的側面を暴き出し、宮崎作品が「もはや世界は何も変わらない」という虚無と「それでも世界を肯定しなければならない」という人間愛との断絶を埋める軌跡として描かれていると分析していますkagurakanon.hateblo.jp。出版元は文藝春秋(文春ジブリ文庫版)で、レビュー内でも発行日2013年とKindle版である旨が記載されています。

  • 山本蓮花のブログ「小説には書けないあれこれ」(作家による書評ブログ) – 小説家・山本蓮花氏のブログに2019年9月3日付で掲載された記事「「僕は、人間を罰したい」〜宮崎駿インタビュー集」は、本書を詳細に論じた批評的レビューです。記事内では**「本書はそれぞれの映画製作当時のインタビューをまとめたもので、クリエイターとして、監督として、そして人間としての宮崎駿の魅力が詰まったものになっている」**と紹介し、著者は読後に「宮崎駿という人間はやはりまず何よりも『アニメーター』である」と再認識したと述べていますrenge-blog.com。ブログ記事では宮崎監督の“動き”へのこだわりや「人間を罰したい」という発言など、本書から読み取れる監督の創作哲学を深く掘り下げています。

  • 「嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2」(Hatenaブログ) – 2020年6月28日付のエントリー「12年間を費やした12万字の言葉『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』宮崎駿インタヴュー集」では、雑誌『CUT』と『SIGHT』に掲載された5回分のインタビューがノーカット収録されている背景に触れつつ(初出時は誌面の都合で削られた部分も本書では完全収録)coaching-labo.co.jp、宮崎作品の舞台裏や高畑勲・庵野秀明・押井守ら他の映画監督について語られる内容の興味深さを述べていますarashi-golf.hatenablog.jp。レビューでは「渋谷陽一氏が宮崎監督を無条件に礼賛するのではなく、自身の思い込みをぶつけて宮崎監督の反応・本音を引き出すやり取りも面白い」と指摘されておりarashi-golf.hatenablog.jp、インタビューの対話スタイルが批判的検証になっている点が評価されています。記事末には本書の文庫化や続編(『続・風の帰る場所』)の出版にも言及がありますarashi-golf.hatenablog.jp。※初版の出版社はロッキング・オンarashi-golf.hatenablog.jp

  • 「じゅうのblog」(gooブログの読書感想ブログ) – 2024年6月19日付の記事「『風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡』 宮崎駿」では、読者視点の感想ながら分析的なコメントも見られます。筆者は**「渋谷陽一が宮崎駿の素顔を巧く引き出している印象」であり、「発想の源泉や背景について深く探求しているので、宮崎駿作品への理解が深まり、宮崎駿の思想や哲学に触れることができた」**と述べておりblog.goo.ne.jp、本書を読むことで宮崎監督の思考プロセスや作品観への洞察が深まったと評価していますblog.goo.ne.jp。また宮崎監督の印象的な発言(チャップリン映画やディズニー批判、「世界は光と陰で成り立っている」等)も引用し、ファンやアニメ愛好者にとって貴重な一冊だと結論付けています。

  • 株式会社コーチビジネス研究所(CBL)公式サイトのコラム – ビジネスコーチング企業の公式サイト上で、2023年9月13日公開のコラム記事「『風の帰る場所』によって、宮崎駿さんの作品論、思想、そして哲学を語り合う1on1ミーティング(その1)」がありますcoaching-labo.co.jp。これはビジネスコーチ同士の対話形式で本書の内容を議論したユニークなレビュー記事です。記事内では**「1990年から12年間の間に渋谷陽一さんは宮崎駿さんに5回ほどインタビューしています。そのすべてを余すことなく…逐語的に再現した本なんですね」と本書の成り立ちを紹介しつつcoaching-labo.co.jp、宮崎監督の発言や思想をエグゼクティブ・コーチングの視点で捉え直しています。コーチング的観点から、宮崎監督の“口当たりのよくない”本音を引き出す渋谷氏の対立型インタビュー**手法に注目し、リーダーの自己開示を促すヒントとして本書を読む、といった分析が展開されていますcoaching-labo.co.jpcoaching-labo.co.jp。ビジネス系サイトのコラムですが、結果的に本書の内容を批評的に掘り下げたレビューとなっています。

  • その他の書評サイト・ブログ: 上記以外にも、本書の書評は多数見つかります。例えば老舗書評ブログ「黒夜行」でも本書のレビュー(FC2ブログ、記事No.2566)が投稿されており、筆者は**「本書はとにかく、宮崎駿の言葉が非常に面白い」として大量の引用を交え感想を記しています(宮崎監督の発言の生々しさ自体が読みどころであるとの趣旨)coaching-labo.co.jp。また「本と奇妙な煙」というブログ(はてなダイアリー)では2006年に本書から抜粋した宮崎監督の発言を紹介する記事があり、当時の読者にも宮崎発言集として衝撃を与えた様子が伺えます。さらに、仙台の税理士法人スタッフブログ内の読書コーナーでも本書が取り上げられており(2024年8月8日「今読みたい本」第331回)、「インタビュー形式で宮崎さんのありのままの言葉が掲載されているので本人の価値観が鮮明に感じられる」**と紹介されていますtasky.tax。このように、一般の読者レビューだけでなく専門家やブロガーによる分析的な書評が幅広い媒体で展開されています。

参考サイト一覧(日本語):

  • かぐらかのん(書評ブログ) – 書籍レビュー「『風の帰る場所』宮崎駿」kagurakanon.hateblo.jp

  • 山本蓮花「小説には書けないあれこれ」(作家ブログ) – 宮崎駿インタビュー集の批評記事renge-blog.com

  • 「嵐、ゴルフ、ミステリーの日々2」(書評ブログ) – 書籍紹介・感想記事arashi-golf.hatenablog.jpcoaching-labo.co.jp

  • 「じゅうのblog」(gooブログ) – 読書感想記事blog.goo.ne.jp

  • コーチビジネス研究所 公式サイト – コラム記事(1on1ミーティング形式の書評)coaching-labo.co.jpcoaching-labo.co.jp

  • 黒夜行(FC2書評ブログ) – 書籍レビュー記事(宮崎発言引用中心)coaching-labo.co.jp

  • 本と奇妙な煙(はてなブログ) – 宮崎駿インタビュー抜粋紹介記事

  • タスキー税理士法人ブログ「今読みたい本」 – スタッフによる書評(第331回)tasky.tax

2025年9月9日火曜日

Pythia: deep learningでCRISPR–Cas9編集の精度を最適化

 

  • ythia: deep learningでCRISPR–Cas9編集の精度を最適化
    Nat Biotechnol, Online ahead of print: 2025-09-01(Research Briefing)。PubMed掲載あり(PMID: 40890501)。本文に対応する本体論文は2025-08-12公開のOpen Access記事です。 Nature+1PubMed

概要(何が新しい?)

  • 修復結果の予測とドナー設計を一体化:Cas9切断後の**MMEJ(マイクロホモロジー介在修復)**を深層学習で予測し、最適なマイクロホモロジー“繰り返しアーム”(3塩基×多重)のドナー端を設計して、枠ずれを抑えた“狙いどおり”の挿入を実現。 Nature+1

  • 汎用性HEK293Tの32座位で高精度統合を実証し、アフリカツメガエル胚成体マウス脳の非分裂細胞でもタグ付け等に成功。HDRが効きにくい文脈で有用。 Nature

  • 小改変にも対応:ssODNドナーを用いた単塩基・二塩基の“スカーレス”改変も最適化。 Nature

  • 性能指標:設計どおりに境界での修復様式が出るかを検証し、左/右接合部で r=0.815 / 0.969の高相関。繰り返し数は概ね5回で頭打ちNature

使い方の最短手順(設計フロー)

  1. 候補gRNAを決める →

  2. Pythiaで対象座位の配列文脈から最適“繰り返しアーム”(長さ・回数)を提案させる →

  3. 提案どおりにドナーDNA端を組む(必要に応じssODN/線状dsDNA)→ Cas9 RNPと共送達 →

  4. 境界シーケンスで設計通りのフレーム保持・欠失抑制を確認。 Nature

入手先

  • PubMed(Ahead of print項目):PMID 40890501。 PubMed

  • Research Briefing(要点):Nature Biotechnology 2025-09-01。 Nature

  • 本体論文(OA)Precise, predictable genome integrations by deep-learning-assisted design of microhomology-based templates(2025-08-12)。Code availability公式サイトGitHubの記載あり。 Nature+1

実務メモ(どんな時に有利?/注意)

  • 有利:HDRが難しい非分裂細胞や胚、フレーム保持が重要なタグ付け、境界の欠失を極小化したい挿入。 Nature

  • 注意:MMEJ依存のため座位特異性が強い。過度・不適切な繰り返しは逆効果。オフターゲット抑制は別対策(gRNA選別等)と併用。本文マウス実験は定性的検証が中心(空間確認)で、量的比較は限定的。 Nature

脳にも“グローバル”に見える仕組みはあります。ただしそれはBackpropのような厳密な全球勾配更新とは別物です

 

何が“グローバル”なのか(脳)

  • 分散表現・重ね合わせ:Pribramのホロノミック仮説は、記憶がフーリエ的に分散・干渉するという比喩で説明(ノイズに強い/緩やかな劣化)。

  • 広域放送グローバル・ワークスペース仮説や視床‐皮質のリズム同期で情報を全脳に共有。

  • 広域ゲーティングドーパミン/アセチルコリン/ノルアドレナリンが学習率や可塑性の「場」を全域で調整。

  • オフライン更新睡眠時リプレイ、再固定化、シナプスタギングで広域に記憶を再配置。

なぜBackpropとは違うのか

  • 誤差の運び方:Backpropは層を逆向きに微分情報(勾配)を精密伝達。脳は主に局所可塑性+グローバル調節でクレジット割当。

  • 重み対称性の問題(weight transport):脳で逆伝播に必要な転置重みを用意する証拠は乏しい。

  • 信号様式:脳はスパイク時系列と化学伝達、LLMは連続値行列演算で一斉更新。

“橋渡し”する提案(研究途上)

  • 予測符号化:誤差ニューロンでBackprop様の近似を行う仮説。

  • フィードバックアライメント/Equilibrium Propagation/三因子学習則:局所学習に粗いグローバル信号を載せてBackpropを近似し得るという案。
    → いずれも有望だが未確立で、機械学習のBackpropと同等とは言えません。

まとめ

  • 脳の“グローバル”=広域共有・調整・再配置

  • LLMの“グローバル”=勾配の全球逆伝播で一括最適化
    方向性(予測で驚きを下げる)は響き合いますが、メカニズムは本質的に異なります