2026年1月18日日曜日

2000年以降のチョコ“新世代”ブランド例(創業年つき)

 2000年以降(おおむね2000年代半ば以降)は、Bean to Bar(カカオ豆から自社で製造)シングルオリジン倫理調達を前面に出す“新世代ブランド”が一気に増えました。そこで「2000年以降に立ち上がった(または2000年代に実質的にブランド化した)チョコ」から、押さえどころを挙げます。


倫理・ミッション型(規模は大きいが2000年代発)

  • Tony’s Chocolonely(トニーズ・チョコロンリー):2005年創設。児童労働や搾取問題への抗議から始まったブランド。

  • Original Beans(オリジナルビーンズ):2008年から活動(公式に“Since 2008”)。森林保全・再生型を強く打ち出す。

Bean to Barで“クラフト”を象徴する系(2006-2013あたりが山)

  • Theo Chocolate(セオ):2006年設立。米国のオーガニック/フェアトレード系の象徴格として語られがち。

  • Askinosie Chocolate(アスキノージー):2007年創業。ダイレクトトレードの語りと相性が良い。

  • Mast Brothers(マスト・ブラザーズ):2007年創業。クラフト潮流の“象徴”として言及されやすい一方、当初の製法主張をめぐる論争も有名。

  • Fruition Chocolate Works(フルイション):クラフト系の代表格として流通でよく見かけます(創業年は公式ページだけだと取りにくく、年表ソースを追加確認した方が安全です)。

  • Dandelion Chocolate(ダンデライオン):2010年創業(日本公式でも明記)。シングルオリジンの“分かりやすい現代形”。

  • Raaka(ラーカ):2010年に“作り始めた”年表が公式にあり、NYクラフト文脈で強い。

  • Ritual Chocolate(リチュアル):2010年共同創業の記載あり。USクラフトの重要銘柄として扱いやすい。

  • Dick Taylor Craft Chocolate(ディック・テイラー):2010年に製造開始、創業年として扱われることが多い。

  • Omnom(オムノム):2013年にレイキャビクで設立。北欧的デザインとフレーバーで現代感が出ます。

“超高級・体験化”路線(2000年以降っぽさが強い)

  • To’ak(トアック):2013年設立。ヴィンテージ酒のように「熟成」「希少品種」「体験」を前面に。

本を2000年以降版に更新するなら、章立ての軸(最短)

  • Bean to Bar化(製造工程を語れるブランドが増える)

  • シングルオリジン化(産地の“ワイン化”)

  • 倫理とトレーサビリティ(Tony’sやOriginal Beansのように、味以外の価値が中心へ)

  • 高級化の方法が変わった(箱ではなく、ストーリーと体験で高級にする。To’ak型)

2026年1月7日水曜日

情報にとって美とは何か s3

批評テレビ

情報にとって美とは何か

きれい、すごい、尊い。
その一言の前にある「なぜそう感じたか」を、言葉でほどく本です。

この本でやること
「美」を、雰囲気ではなく、伝わり方の話として扱います。
読み終える頃には、同じ作品が別の角度から見えるはずです。

1. 美は「空気」ではなく「伝わり方」

美は、作品に貼り付いたラベルではありません。
受け取った側の中で、ある並び替えが起きたときに立ち上がる感触です。

つまり、美は「感じた」で終わりません。
どう伝わったか、どこで引っかかったか、何が増えたか。そこに手がかりがあります。

批評テレビは、その手がかりを、むずかしい言葉で囲いません。
できるだけ平たい言葉で、読み手の手元に戻します。

2. つまらなさは、同じ話のくり返し

つまらない、という感覚は「だめ」の判定ではありません。
それは「もう知っている」「増えていない」という合図です。

逆に言うと、増えた瞬間にだけ面白さが来ます。
作品が変わるのではなく、こちらの見方が増えるからです。

この本は、面白さを盛りません。
増え方を作ります。増え方がきれいなとき、それが「美」に近づきます。

3. 価値は、希少な驚きから始まる

価値は、ランキングや評判だけで決まるものではありません。
まず、あなたにとって「もう一度起こしにくい驚き」があるかどうかです。

驚きは希少です。だから価値になります。

4. 軸を増やすと、世界が増える

ひとつの説明で全部まとめると、分かった気分にはなれます。
でも、驚きは減ります。

批評テレビは、軸を増やします。
放送、国策、文学、戦後、感情、記憶。
同じ対象を別の角度から見ると、情報が増えます。

その「増え方」が気持ちいいとき、私たちはそれを美と呼んでしまう。
この本は、その瞬間を増やすための道具です。

1分で分かる要約
美は雰囲気ではなく、伝わり方の話。
つまらなさは、増えていないという合図。
価値は、希少な驚きから始まる。
軸を増やすと、世界が増える。

価格と購入形態

Kindle版(Unlimitedもあります):¥500
ペーパーバック(オンデマンド):¥990
オンデマンドについて(大事なところだけ)
・注文後に印刷されるため、到着まで日数に幅があります。


購入の判断
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坪内逍遥&岡倉天心

坪内逍遥&岡倉天心 フェーノローサせんせーい

批評テレビ / blog

️坪内逍遥&岡倉天心 フェーノローサせんせーい

公開日: 2020年10月18日 10:31 著者: 批評テレビ/文学フリマ東京42出展 元記事: note
見出し画像

坪内逍遥

坪内逍遥は、明治十二年(1879)にこの大学の本科の政治科に進んだ。この学校で彼はイギリス人の教師につていてチョーサー、ミルトン、シェークスピアなどの古典を習った。しかし、彼の同級生たちはもっと新しい英米文学を読みふけっていた。それはウォルタースコット、ポー、ブルワーリットンなどであった。坪内はそれらの学友にすすめられて英語の小説を読み、自分の知っている馬琴や為永春水などの江戸文学と比較して仲間と議論するようになった。その仲間には、のちに日本の美術および東洋の文化一般を論じた英語の本「東洋の理想」や「茶の本」を書いた岡倉天心がいた。

そのころハーヴァード大学を卒業したばかりのフェノロサという才気活発な若い教師がやってきた。フェノロサは政治学、経済学、哲学史、美学などを講じた。そのうちにフェノロサは日本の美術に心をひかれ、その研究に努力するようになった。英語のよくできた岡倉は、フェノロサに近づいて彼の研究に助力をした。しかし英語会話の不得意であった坪内は、フェノロサの講義を十分理解することができず、明治十四年の六月、大学の最後の過程にすすむ前の年に、フェノロサの政治学の試験の成績がわるくて落第した。彼はそれまで政府から学費をもらっていたが、落第したためにその特典を失った。

多分大正文学史からの引用だと思うが今調査中。文学史の冒頭のはずだが逍遥を英語力でかなり「ディスっている」形になっている。その後逍遥は民間の専門学校の講師になるが、それがのちの早稲田大学になるので、もし今情報系の専門学校で物理教えてたりする人はめげないで頑張ってほしい。

どうもフェノロサというのはアメリカ人のようだ。

アーネスト・フランシスコ・フェノロサ(Ernest Francisco Fenollosa、1853年2月18日 - 1908年9月21日)は、アメリカ合衆国の東洋美術史家、哲学者で、明治時代に来日した お雇い外国人。日本美術を評価し、紹介に努めたことで知られる。

助っ人外人、とか、他に呼び名はないのか。絶対本人意味わかんないで死んだと思う。おー、オヤトイとか

参考: アーネスト・フェノロサ - Wikipedia

改めて経歴読むと、彼は政治哲学の枠でやってきて、美術とは関係ないらしい。天心、恐ろしい子。来日当時フェノロサは25才で天心が15才、なんだか年代はずれるが、10歳差の二人で英語でキャアキャアお寺を見ていたのかもしれないと夢想すればやや楽しい。

このフェノロサに声かけたのがモースで、モースは動物学者。

参考: エドワード・S・モース - Wikipedia

逍遥はおそらくフェノロサにはぜんぜんハマらなかったが、色々の話は天心としていたはずで、友達の力はバカにならない。

参考: お雇い外国人 - Wikipedia / Foreign government advisors in Meiji Japan - Wikipedia

関連リンク: フェノロサ 上―日本文化の宣揚に捧げた一生(Amazon)

#美術 #読書の秋2020 #文学史 #大正デモクラシー #サッカリン #フェノロサ
備考: 元記事の本文構造をブログ向けに整形しています。引っ越し先のサイト名・著者表記・canonical URLは必要に応じて差し替えてください。

2026年1月2日金曜日

Kindle Unlimitedで読む

2026年1月1日木曜日

情報にとって美とは何か?#2 雑誌批評テレビ

 情報が洪水のように押し寄せる時代に、私たちは「美」をどこで見失ったのか?『情報にとって美とは何か? Yトーン』は、夏目漱石の文学論にある F(情報)+f(情緒) という座標を起点に、テレビの誕生、批評史、そしてシャノン理論へと接続しながら、“美”を感嘆やオーラではなく、伝達可能性と希少性、意味生成として捉え直す一冊です。

iPadで読むなら、Kindleアプリのカスタム表示(フォント・明るさ・ページ色)で読みやすさを固定し、ハイライトとメモを積み上げてください。端末をまたいでも読書位置やメモは同期でき、読みかけが“思考のつづき”になります。


情報論・メディア論・哲学・現代文化論の読者におすすめ。 日々膨大な情報に触れるあなたに、新しい視座をもたらす一冊です。

2025年12月21日日曜日

「アンカット本」に似た出版物や販売・制作支援サービス

 

「アンカット本」に似た出版物や販売・制作支援サービス

(国内) 「アンカット本」とは、本の小口(三方)を断ち切らずに製本したもので、読者自身がページの折を開きながら読む形式の本ですnote.com。歴史的には欧米で19世紀頃まで一般的でしたが、現代でも演出として一部に採用されています。日本では新潮文庫の一部で上部を断ち切らない「天アンカット」の装丁が知られており、あえて裁断せずギザギザのままにすることで独特の趣きを生んでいますj-town.net。ただし読者から装丁ミスと誤解されることもあり、出版社が「わざとです」と説明するエピソードもありましたj-town.net。「天アンカットの美」を提唱する夕書房のような一人出版社もあり、装丁デザインとしてアンカットを取り入れる動きがありますj-town.net。アンカット本そのものを専門に扱うサービスはありませんが、製本所に依頼すれば意図的に小口を断ち落とさない製本も可能です(オンデマンド製本でも要相談)。例えばプリントオンデマンドの製本工程で最後の3方断裁を省けば袋とじ状態になりますので、実験的に自作ZINEで取り入れるクリエイターもいます。

「読者が仕上げる」出版物としては、他にも読者自ら裁断して読む雑誌の付録(袋とじグラビア等)や、組み立てキット付き書籍(読後に工作する本)などがあります。直接的にアンカット本ではないものの、「完成させるために手を動かす」という点で共通します。近年話題になったものに、フランスのデザインユニットSuper Terrainが制作した『華氏451度』特装版があります。これはページ全体が黒く印刷され、読者が加熱する(火で炙る)ことで文字が浮かび上がる仕掛けのアートブックでした。読者が物理的作用を加えないと読めない点で極端な例ですが、本と読者のインタラクションを重視した作品です。国内でも、美術館の図録でミシン目入りのページを自分で開封しながら読む趣向のものなど、似たアイデアは散見されます。

制作支援サービスの観点では、リソグラフ印刷や手製本ワークショップが「読者(作者)が仕上げる」要素を持っています。東京のHand Saw Pressはリソグラフ印刷スタジオであり、予約すればスタッフと相談しながら自分で印刷・製本作業ができるユニークなサービスを提供していますhandsawpresstokyo.comhandsawpresstokyo.com。利用者は自分で版を刷り、製本機や断裁機などの設備もセルフサービスで使用可能(スタジオで印刷した人限定)となっておりhandsawpresstokyo.com、まさに自分の本を自分で仕上げる体験が得られます。料金は時間制(例:印刷・製本立ち会いで2,000円/時+材料費)で、複数人での利用も可能ですhandsawpresstokyo.com。大阪のレトロ印刷JAMもリソグラフ専門の印刷所で、「ズレる、かすれる」といった風合いを楽しむ印刷を掲げており、名刺から冊子まで小ロットで対応しますretroinsatsu.com。こちらではオンデマンド発注のほか工房スペースでの実験印刷も行われています。リソグラフは版ずれやインクの重なりを含めて味わいとなるため、ある意味完成形が一部読者任せ(どの色がどこまで重なるか等)なプリント手法と言えます。製本も中綴じホチキス止めから簡易無線綴じまで対応し、紙やインクを選ぶ過程も含めて利用者の創意が活かせます。さらに、東京の中野活版印刷店では活版印刷や和綴じ製本のワークショップを開催しており、自分で綴じノートや和本を作る体験ができます。これらサービスは必ずしも「未裁断の本」を扱うわけではありませんが、「利用者自身が最終工程に関わる」点で共通しています。仮製本状態で配布し、読者が各自で綴じ直すような取り組みは珍しいですが、小部数アートブックの世界ではバラ綴じ(綴じずに束のままケース入り)綴じ糸だけ通して締めていない本など、受け手が触れて完成するような作品も存在します。

(海外) 海外でも、Risographスタジオやブックアートのコミュニティを中心に「アンカット本」的な要素がみられます。例えばロンドンやニューヨークには、RisoLabStencilといったリソグラフ印刷工房があり、アーティストが参加して自分で製本まで行えるワークショップを提供しています。米国のThe Book Arts LeagueSan Francisco Center for the Bookでは、手製本や製本術の講座が開かれており、製本未経験の個人が自作本を持ち込んで綴じるサポートを受けられます。こうした非営利施設はコミュニティスペースとして機能し、自分で本を完成させるスキル習得を支援するサービスと言えます。

「アンカット(未裁断)」そのものを商品コンセプトにした例としては、海外オークション等で古書の未裁断本がコレクター向けに取引されることがあります。19世紀の古い書籍でページが切り離されていないものは「uncut」として珍重され、落札者が現代になって初めてページを開く楽しみを得るというニッチな市場ですboards.straightdope.com。また、前述のSuper Terrainのアートブックのように、受け手の行為で内容が現れる本という発想も欧米のアート出版で散見されます。オランダのアーティストによる「黒く塗られた本を削り出して読む」作品や、ページに香りを染み込ませ読者が擦ると香る絵本といった実験的出版物も報告されています。販売・流通支援というより作品単位の話ですが、海外のクリエイターはKickstarterなどを活用してこうした特殊本を資金調達・販売するケースがあります。

総じて、アンカット本や読者参加型の本は大量流通こそしませんが、リソグラフ印刷所のセルフサービスhandsawpresstokyo.com製本ワークショップなど、作り手・読み手に「本を完成させる」工程を委ねるサービスが各地に存在します。価格帯はサービス内容によりますが、リソ工房なら数千円~で利用可能、ワークショップ参加費も材料込みで数十ドル程度が一般的です。納期(所要時間)はセルフ作業の場合その場で完了する場合もあります。こうしたサービスを通じて生まれた本は、一冊一冊が参与の手によって完成されるため、まさにアンカット本の思想を受け継ぐ唯一無二の仕上がりとなるでしょう。

参考文献・情報源: 本回答では各サービス公式サイトおよび関連資料を参照していますkinkos.co.jppublish.n-pri.jpblog.lulu.comdetail.chiebukuro.yahoo.co.jpyodobashi.comhandsawpresstokyo.com等。各種サービス内容・価格は2025年現在の情報に基づきますが、詳細はリンク先や公式発表をご確認ください。

「ゾッキ本」的な流通形態・思想のサービス

 

「ゾッキ本」的な流通形態・思想のサービス

(国内) 「ゾッキ本」とは再販制度から外れて定価より大幅に安く売られる新品の本のことですja.wikipedia.org。いわゆる“バーゲンブック”や“新古本”とも呼ばれ、出版社の在庫過多や倒産時に出回った本など、一度も読者に渡っていない新品が古書扱いで安売りされるものですja.wikipedia.org。このような特価本の流通を専門に扱う**「ぞっき屋」と呼ばれる卸業者も存在しますja.wikipedia.org。日本では、大手中古書店チェーンのブックオフが代表的で、新刊定価販売から外れた自由価格本を店舗で販売しています。ブックオフでは基本的に中古品が中心ですが、ゾッキ本(特価本・アウトレット本)も販売されていることが知られていますdetail.chiebukuro.yahoo.co.jp。実際、ブックオフ各店には出版社から仕入れた新品バーゲンブックコーナーがあり、定価の半額以下で並ぶ書籍も多いです。その他、オンラインではブックオフオンラインネットオフ**(ゲオ運営)などが中古と併せてバーゲン本を販売しています。出版社から特価本を仕入れて全国の書店に卸す問屋としては、神田神保町の老舗魚住書店(1888年創業)などが挙げられます。魚住書店は約1500店の小売店と取引し、出版社在庫の買取・特価本の卸売を手掛けていますuozumishoten.jpuozumishoten.jp(※小売店向けサービスのため個人直接利用は不可)。一般読者が直接新品のバーゲンブックを買うには、楽天ブックスやヨドバシ.comのバーゲン本コーナーが便利です。ヨドバシカメラなどの通販サイトでは「バーゲンブック特集」として多数の特価本を30~80%OFFで販売しており、説明文でも「未使用の新本だが格安で再販売した本」であることが明記されていますyodobashi.com。実店舗でも、ショッピングセンターの催事等でバーゲンブックフェアが開催されることがあります

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Non-used_Bargain_books_in_Japan.jpg

。写真はある書店でのバーゲンブック売場の様子ですが、新本を「本のバーゲンセール30~60%OFF」で販売しており、裏表紙にバーゲンブックを示す印やシールが貼られています(再販本と区別するため)yodobashi.com。このようなバーゲン本流通は「定価販売が前提」の日本の出版流通では例外的な存在ですが、読者にとって掘り出し物を安価に入手できる機会となっています。

また、「未完成流通」に近い思想として、完成前の作品を仮に流通させるケースも考えられます。日本の同人文化では、イベントに制作途中のコピー本を出す例があります。例えばコミックマーケットなどで、間に合わなかった原稿をコピー製本した「コピー本」や、本文途中までのプレビュー版を配布し、後日完成版を頒布することがあります(いわゆる仮製本・予告本の頒布)。これもある意味「未完成のまま流通させる」形態です。正式なサービスではありませんが、創作活動における一手法として定着しています。

一方、商業流通に乗らないZINEやリトルプレスを取り扱うサービスも増えています。個人制作のZINEを全国の書店に流通させるウェブサービス**「一冊!リトルプレス」はその一例ですnote.com。これは「一冊!取引所」という受発注プラットフォームを利用し、ZINE作り手と書店を結ぶ仕組みになっていますnote.com。利用には年会費5,500円+作品登録料1アイテムあたり1,100円が必要ですが、登録するだけで全国の提携書店から注文が入り、簡単な手続きで委託配本が行えますnote.com。注文が来れば通知が届き、あとは指定書店に向けてZINEを発送するだけで、売上精算も自動で行われますnote.com。実際にこのサービスを利用して、自作ZINEを各地の独立系書店に置いてもらっている作り手もいますnote.comnote.com。従来、個人で書店に営業し委託交渉するハードルは高かったですが、プラットフォームを介すことで販路拡大が容易になっています。ほかにも、三輪舎が立ち上げた「本の流通協同組合」(本協)という、小さな出版社や個人レーベルと書店を繋ぐ共同流通の取り組みもありますdistributor.3rinsha.co.jp。ZINE専門の実店舗としては、中野ブロードウェイのタコシェや下北沢のB&B**、各地のZINEショップが挙げられ、これらも個人ZINEの委託販売を受け付けています。さらに、オンラインマーケットプレイスのEtsyBOOTH(pixiv)はグローバルに個人がZINEや同人誌を販売する場を提供しており、流通形態として「直接販売・直送」という形で広く利用されています。まとめると、ゾッキ本のような割引販売ルート(バーゲンブック)や、未完成品・自主制作物を通常流通に乗せる代替ルート(同人即売会やオンライン委託)が国内には複数存在し、個人でも活用できるサービスが整ってきています。

(海外) 海外でも新品の安価本やアウトレット本を扱うサービスが数多くあります。代表的なのは北米のBook Outletで、ここは出版社の余剰在庫や店頭返品本を大量に仕入れ、定価の50%以上割引で新品同様の本を販売するオンラインストアですbookoutlet.com。在庫点数も非常に豊富で、ジャンル問わず掘り出し物が見つかります。販売される本は基本的に未使用の新本ですが、まれにカバーに印や小さな傷がある場合があり、サイト上でその旨も説明されています(読書に支障が出るようなダメージ本は扱わない方針)facebook.com。アメリカでは他にHalf Price Books(実店舗チェーン、主に中古だが新古品もあり)や、図書館払下げや寄付本を扱うBetter World Books、大手ではAmazonの**“Bargain Books”コーナーなどが新品アウトレットの入手先です。イギリスにもThe WorksBook Depotといったディスカウント書店があり、新品の過剰在庫本を廉価販売しています。こうしたサービスはいずれも一般読者向けに新品を書籍定価の半額以下で提供**しており、出版社・取次から直接仕入れたリマインダー本(返品残)を流通させる点で「ゾッキ本」的です。

未完成原稿や制作途中の作品を読者に届けるサービスも、デジタル領域を中心に存在します。例えばLeanpubは電子書籍のセルフ出版プラットフォームですが、執筆途中の未完成本を販売・更新していけるユニークなモデルを採用していますhelp.leanpub.com。購入者は未完成の本を購入後、著者が新たな章や改訂をアップデートするたび無料で最新版を入手できますhelp.leanpub.com。これにより読者は著者と一緒に本が育つ過程を体験でき、フィードバックを送ることも可能です。Leanpubで販売されている技術書などには「現在xx%完了」と進捗表示されているものも多く、まさに「未完成のまま流通させる」思想と言えます。また、技術書出版社のManningはMEAPと称して未完成原稿を先行発売し、完成まで段階的に内容を追加配信します。O’Reilly社もかつて“Early Release”シリーズで執筆中の原稿を提供していました。これらは紙の書籍ではありませんが、「完成前でも読者に届ける」サービスの海外事例です。

さらに、インディーズのZineやアートブックを扱う海外流通にも様々な形態があります。米国のMicrocosm Publishingはポートランド拠点のインディー出版社兼ディストリビューターで、世界中のZineやコミック、小規模プレスの本を卸・小売販売しています。Small Press Distribution(SPD)は長年アメリカで小出版社の流通を支えてきました(※2025年に一時運営停止との報道ありlithub.com)。SPDに代わる新たな流通として、AsterismやItascaなどが小プレスの受け皿となっていますpublishersweekly.com。欧米ではzineフェスティバルコミックコンベンションなどイベントで直接頒布する文化も盛んで、イベント主催者がオンラインカタログ・通販を併設する例もあります(例:シカゴZine Festの通信販売部門など)。また、日本のBOOTHに相当するようなStorenvyBig Cartelといった個人ショップ開設サービスを利用し、海外クリエイターが自作Zineを直販して国際発送するケースも一般的です。これらは中央集権的な取次ではありませんが、「商業流通に乗せなくても作品を届ける」点でゾッキ本的な思想に通じます。総じて海外では、特価で新品書籍を提供するアウトレット書店と、未完成作品やZineをファンに届ける独自流通(電子プラットフォームやイベント直販)が二極化して発達しており、日本同様に個人でもアクセスしやすいサービスが充実しています。