2026年8月24日月曜日

WebAssemblyという仕様を、味わう。

味わう仕様書

WebAssemblyという仕様を、味わう。

使い方の説明だけでは見えない、WASMのメモリ、Module、import / export、Emscripten、WASI。 実装と仕様書の間をうろうろしながら読んでいきます。

味わう仕様書 WASM

使い方ではなく、仕様を読む。

WebAssemblyは「CやRustをブラウザで動かすもの」と説明すれば、ひとまず使えます。 けれど、実際に何がModuleになり、何がimportされ、何がexportされ、 JavaScriptとWASMの境界で何が起きているのかを見ると、仕様そのものの輪郭が立ち上がってきます。

01 / MEMORY

勝手に外へ出られない

ambient accessを持たない設計と、線形メモリの範囲外アクセスがtrapになる仕組みを仕様から見ます。

02 / MODULE

compileの後に何がある?

Module、compile、instantiate、import、export。 似た言葉を、実際の処理の順番に置き直します。

03 / EMSCRIPTEN

生成されたJSを覗く

sql.jsを手がかりに、onRuntimeInitialized、ccall / cwrap、 WASM側で短縮されたexport名まで追います。

04 / WASI

ブラウザの外へ

Wasmtime、WASI、WIT、Component Model。 「WebのAssembly」という名前の外側で何が始まっているのかを見ます。

この本で見るもの

WebAssembly Core Specification
WebAssembly JavaScript Interface
linear memory / trap
Module / compile / instantiate
import / export
Emscripten
sql.js / sql-wasm.js
ccall / cwrap
Wasmtime / WASI
WIT / Component Model ABI

目次

WASM登場
WASMの安全性
で、具体の面(本文)
いろんなWASM
WasmtimeとWASI JS面以外のWASM
コンポーネントとWIT/ABI
WASM3など組み込み系の取り組み

仕様書を、読む対象にする。

APIの使い方を覚えるだけなら、もっと短い説明で済みます。 この本では、仕様の文言と実装の振る舞いがどこで重なり、どこでずれて見えるのかを、 実際の生成物や周辺ツールまで行き来しながら確かめます。

味わう仕様書 WASM

WebAssemblyという仕様を、味わう。

2026年8月13日木曜日

卓上ロボドッグを直接見られるリンク

 はい。まずはメーカー公式を中心に、卓上ロボドッグを直接見られるリンクを並べます。今回の調査で特に「卓上」というカテゴリ感がはっきりしているものです。

製品特徴リンク
Petoi Quaddle2026年の新型。4サーボ・ESP32/OpenCat・Pi Zero拡張・AI会話。かなり「desk robot」を前面に出しているhttps://www.petoi.com/pages/quaddle-educational-robot-kit
NavBot EG-0120×17×11cm、423g、8DOF。「Desktop Quadruped Robot Dog」と明記https://navbot.com/products/navbot-eg01-8-dof-desktop-quadruped-robot-dog
NavBot EG-01 GitHub機械設計・回路・ソフトを公開https://github.com/fuwei007/Navbot-EG01
Hiwonder MechDog手のひらサイズ、ESP32、8サーボ、逆運動学、Python/Scratch/Arduinohttps://www.hiwonder.com/products/mechdog
MechDog Documentation制御・組み立て・プログラムを見るならこちらhttps://docs.hiwonder.com/projects/MechDog/en/latest/
Petoi Bittle / Bittle XQuaddleの直接の先祖に近い存在。OpenCat系https://www.petoi.com/pages/bittle-smart-robot-dog-model-overview
Petoi OpenCat GitHubBittle / Nybble / Quaddleのソフトウェアの本体https://github.com/PetoiCamp/OpenCat
Petoi OpenCat ESP32ESP32版。BiBoardを理解するなら重要https://github.com/PetoiCamp/OpenCatEsp32
Mini PupperRaspberry Pi+ROS系の代表的な小型四足https://www.mangdang.net/
Mini Pupper GitHubROS/ROS 2側を見る入口https://github.com/mangdangroboticsclub
SunFounder PiDogRaspberry Pi、カメラ・音声・LLM連携まで寄せたAIロボ犬https://www.sunfounder.com/products/sunfounder-pidog-robot-dog-kit-for-raspberry-pi
Hiwonder PuppyPiRaspberry Pi 5+ROS1/ROS2、カメラ、AI、LiDAR拡張https://www.hiwonder.com/products/puppypi

なかでも今見るべきなのは Quaddle / MechDog / EG-01 の3つだと思います。

Petoi自身がQuaddleを “Do-It-All Desk Robot” と呼び、NavBotもEG-01を “Desktop Quadruped Robot Dog”、HiwonderもMechDogを “entry-level desktop quadruped robot dog” と呼んでいます。つまり「大型ロボット犬を小さくしたもの」というだけでなく、desktop quadruped / desk robot という商品カテゴリをメーカー自身が使い始めています。(Petoi)

特にQuaddleは面白くて、従来のBittleが9サーボなのに対して、たった4サーボで全方向歩行を実現し、$99のEarly Birdから狙っています。しかもESP32/OpenCat → Python → Raspberry Pi Zero → ROS → AI会話という階段を作っています。(Petoi)

なので、かなり大きな流れとしては、

Boston Dynamics / Unitree型
→ 大型・高価・研究/産業用

から、

Bittle / Mini Pupper
→ 小型・教育/研究用

を経て、

Quaddle / MechDog / EG-01
机の上に常駐する $100〜300級のロボドッグ

へ来ている、と捉えるとよさそうです。

。Quaddleは2026年8月Kickstarter予定なので、まさに今カテゴリが動いているところです。(Petoi)

2026年8月2日日曜日

マルダセナ論文とホログラフィー

 1997年にフアン・マルダセナが提示したAdS/CFT対応は、量子重力研究における「ホログラフィー」を、比喩から具体的な理論関係へと移した提案である。その中心には、反ド・ジッター時空の内部に存在する重力理論と、その境界上に置かれた重力を含まない量子場理論とが、同一の物理情報を異なる記述によって表すという双対性がある。高次元の空間、弦、ブラックホールとして現れる現象が、一つ低い次元では粒子や演算子の相互作用として読み替えられる。

この対応を味わうためには、境界を単なる外縁としてではなく、内部世界の全情報を保持する面として眺める必要がある。奥行きは最初から与えられた絶対的なものではなく、量子状態の関係やエネルギー尺度から立ち現れる可能性がある。遠近をもつ時空が、より平面的な情報の編成から生成されるという反転に、この理論の美しさがある。

マルダセナ論文は厳密な証明ではなく予想として提出されたが、その後、内部の場と境界の演算子を結ぶGKPW辞書が整備され、ブラックホール熱力学、量子情報、物性理論などへ応用が広がった。ホログラフィーとは、宇宙が映像であるという主張ではない。異なる次元、異なる対象、異なる計算法のあいだに、失われることのない情報の対応を見いだす試みなのである。

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