「ピュシス」は古代ギリシャ語の「φύσις」(physis)に由来します。この言葉は「自然」や「成長」、「生まれること」を意味し、哲学や科学の文脈でしばしば用いられる用語です。古代ギリシャの哲学では、自然界の本質や宇宙の基本的な原理を指し示すためにこの言葉が使用されていました。
最初に強調したいのは、エントロピーとは朦朧たる概念もしくは観念といったものではなく、一本の棒の長さや、一つの物体の任意の点の温度や、与えられた一つの結晶の融解熱や、与えられた任意の物質の比熱などとまったく同様の、一つの測定することのできる物理学的な量だということです。
浅田彰の闘争論では冒頭で、差延性をモデル化するうえで、生命の根源的なもモデルを構築し、それをピュシスと言っていますか?
浅田彰の「闘争論」について、彼が差延性をモデル化し、生命の根源的なモデルを構築するという内容で「ピュシス」と言及している具体的な情報は見つかりませんでした。浅田彰はポストモダン思想や記号論に基づく複雑な概念に取り組んでいますが、利用可能な情報によると「闘争論」において直接的にそのような議論が行われている証拠はありません。
彼の哲学的テーマへの取り組みや、より広範な理論的枠組みを理解したい場合は、彼の他の著作、特に「逃走論」などを読むと良いかもしれません。それらの作品を通じて、彼の哲学に対するアプローチや思想により深く触れることができます。
エントロピーとネゲントロピーそれぞれの用語の成立年について教えてください
エントロピー (Entropy)
エントロピーという概念は、熱力学の分野において19世紀中頃に成立しました。この用語は、ドイツの物理学者ルドルフ・クラウジウスによって1850年代に導入されたものです。クラウジウスはエントロピーを熱エネルギーの拡散や分散の尺度として定義し、熱力学第二法則の文脈で使用しました。彼の定義によると、エントロピーは閉じたシステム内での不可逆的なエネルギーの散逸を表すものです。
ネゲントロピー (Negentropy)
ネゲントロピーという概念は、エントロピーの対義語として後に導入されました。この用語は、情報理論の創設者の一人であるレオン・ブリルアンによって1940年代に提案され、生物学者エルヴィン・シュレーディンガーも彼の1944年の著書『生命とは何か』で使用しています。ネゲントロピーは、システムが秩序を維持する能力を表し、エントロピーの減少と見なされます。これは、システムが持つ秩序や情報の量を示す指標とされ、特に生命現象を説明する文脈で用いられます。
これらの用語はそれぞれ、熱力学、物理学、情報理論、生物学といった異なる学問領域で重要な役割を果たしています。
こちらはエントロピーからネゲントロピーの概念に至るまでの主要な出来事を含む簡単な年表です:
1850年代: ドイツの物理学者ルドルフ・クラウジウスがエントロピーの概念を導入し、熱力学第二法則を定式化。
1940年代: レオン・ブリルアンが情報理論の文脈でネゲントロピーという用語を提唱。
1944年: 生物学者エルヴィン・シュレーディンガーが著書『生命とは何か』で、生命現象を説明するためにネゲントロピーの概念を用いる。
1948年: クロード・シャノンが情報理論の基本を構築し、「情報エントロピー」という用語を導入。ジョン・フォン・ノイマンがエントロピーという名前の使用を勧める。
シュレディンガーの生命とは何かが哲学に置いて利用されている例を教えてください
エルヴィン・シュレーディンガーの著作『生命とは何か』は哲学においても大きな影響を与えています。特に、生命現象を物理学の観点から解析しようとした彼のアプローチは、科学と哲学の交差点で新しい議論を引き起こしました。シュレーディンガーは、生命がどのようにして物理的な法則に従いつつも、それらを超える複雑さを実現しているのかについて考察しました。これは、生命とは本質的に何かという問いに対して、従来の生物学だけでなく、哲学的な探求にも道を開いたのです。
例えば、シュレーディンガーは生命がどのようにして環境から「負のエントロピー」(ネゲントロピー)を取り込んで秩序を維持し、発展させるのかを示唆しました。これは、哲学的にも重要なポイントで、生命の維持と発展がどのようにして可能になっているのか、そしてそれがどのように物理的な世界の法則と調和しているのかについての洞察を提供します (OpenMind) (Cambridge University Press & Assessment)。
このように、『生命とは何か』は生命の本質に関する根本的な問いを提起し、生命科学だけでなく哲学においてもその考察が引き続き重要視されています。このアプローチは、科学的探求だけでなく、哲学的な問いに対しても新たな視点をもたらしました。
この経緯は、熱力学において利用されたエントロピーという用語を、ノイマンのすすめでシャノンが情報理論においても使った経緯と似ていますね
確かに、エントロピーという用語が情報理論で使われるようになった経緯は興味深いものがあります。クロード・シャノンが情報理論を構築する過程で、エントロピーという用語を彼の理論に取り入れることをジョン・フォン・ノイマンが勧めたとされています。フォン・ノイマンは、この用語が「誰も理解していないので、素晴らしい議論を引き起こすだろう」と述べたと伝えられています。これにより、シャノンは自身の情報量の尺度に「エントロピー」という名前を使用することに決めたのです。
この逸話は、科学や技術の分野において用語や概念がどのようにして他の分野に影響を与えるか、また、その逆も然りであることを示しています。ネゲントロピーが生物学や経済学など、元々の熱力学からはかけ離れた領域で使用されるようになったのも、このような知識の領域横断的な流れの一例です。それぞれの分野で概念がどのように解釈され、適用されるかによって、全く新しい理論や方法論が生まれることがあります。
プリゴジンもネゲントロピーについて考察しましたか?
はい、イリヤ・プリゴジンはネゲントロピーについて深く考察しました。プリゴジンは、非平衡熱力学の分野で特に知られており、システムがどのようにしてエネルギーを消費して秩序を生み出すか、すなわちネゲントロピーを生産するプロセスについて研究しました。彼の研究は、複雑なシステムが周囲の環境からエネルギーを取り込んで自己組織化する方法を理解することに貢献しました。プリゴジンはこのようなシステムを「遠方平衡系」と呼び、これらのシステムが時間とともにどのように進化するかを説明するためにネゲントロピーの概念を利用しました。
彼の理論は、化学反応や生物学的な進化、さらには社会や経済システムのダイナミクスの理解にも応用されています。プリゴジンの考え方は、単に科学的な枠組みを超えて、哲学的および実践的な観点からも影響を与え、システムがどのようにして複雑性を増すかについての新しい視点を提供しました。
以下は誤用について話していますか?ただし、第六章60節(一四五ページ以下)の「負エントロピー」という言葉は、その直後の原にもかかわらず、やっぱり誤解を招きやすい言葉だ。なぜなら、今日の物理的科学には熱力学のエントロピーと通信工学に由来する情報理論のエントロピーという二種類のエントロピーがあって、この両者が分子生物学の大学教授などによっても、しばしば混同され過誤や混乱を助長しているからだ
はい、この引用はエントロピーの誤用について話しています。具体的には、「負エントロピー」という用語が誤解を招く可能性があると指摘しています。これは、熱力学のエントロピーと情報理論のエントロピーの二つの異なる概念が存在するにもかかわらず、これらがしばしば混同されるため、特に分子生物学の分野において過誤や混乱を招いていると説明しています。
この引用が指摘する主な問題は、科学の異なる分野で用いられるエントロピーの概念が適切に区別されないことにより、誤解が生じやすい状況があるということです。したがって、科学的な議論や教育においては、これらの概念を正確に使い分けることが重要であると強調しています。
シュレーディンガーは元々、「負のエントロピー」を生命が環境から秩序を取り入れるプロセスとして説明しました。つまり、生命はエントロピーを減少させることで秩序を維持し、進化していくと考えられていました。
しかし、この引用にあるように、生命は食物を摂取する際、その中の有機高分子の秩序や情報を分解し、排除しています。ここでの「誤用」とは、シュレーディンガーの「負のエントロピー」が、生命が食物から直接秩序を取り入れているという直接的な意味ではなく、むしろ食物の分解というプロセスを通じて間接的にエネルギーとして利用していることを示唆しています。この誤解は、エントロピーという概念が元々の熱力学的文脈から離れ、生物学的な文脈でどのように適用されるかの理解の違いから生じています。
先の議論に戻るとネゲントロピーの誤用とはどのような物になりうるでしょうか?
ネゲントロピーの誤用に関しては、この概念が生物学や情報理論、熱力学の文脈外で不適切に使用される場合に生じることがあります。例えば、以下のような誤用が考えられます:
生物学的プロセスの過大評価: ネゲントロピーが生物が環境から秩序を取り入れ、維持するメカニズムとして説明されることはありますが、これを生物の全ての機能や進化の主要因として過剰に強調することは誤りです。生物の秩序維持は複雑なプロセスであり、単一の要因に帰結するものではありません。
熱力学と情報理論の混同: 熱力学のエントロピーと情報理論のエントロピーは関連していますが、それぞれ異なる文脈で用いられるべきです。情報理論におけるエントロピーは情報の不確実性や乱雑さを表しますが、これを熱力学的エントロピーと同一視することは誤りです。
哲学的、文化的な議論での誤用: ネゲントロピーを哲学的な概念や文化的な議論に無理やり当てはめ、科学的な根拠に基づかない解釈を行うことも誤用の一例です。これは科学の概念がその元の意味を失い、誤解を生じる原因となります。
ネゲントロピーの概念を適切に理解し、それを正確な文脈で使用することが、科学的な議論の正確さを保つために重要です。特に多様な学問分野で用いられる場合、その定義と適用範囲を明確にすることが求められます。
レオン・ブリルアン: ブリルアンは情報理論の文脈でネゲントロピーを扱いました。彼は情報理論において「ネゲントロピー」という用語を使い、エントロピーの概念を情報の秩序や組織に適用しました。彼のこのアプローチは基本的に科学的な枠組み内で行われ、ネゲントロピーを秩序や情報の測定可能な指標として扱いました。このため、ブリルアンがネゲントロピーを「誤用」しているとは言い難いです。彼の扱い方は情報理論における新しい視点を提供し、それが広く受け入れられたと言えます。
イリヤ・プリゴジン: プリゴジンは非平衡熱力学の文脈でネゲントロピーを扱い、遠方平衡系における秩序の創出と維持の過程を説明しました。彼はネゲントロピーを、システムが環境からエネルギーを取り込み、より高い秩序状態を達成する能力として捉えました。このアプローチは、生命現象や化学反応を理解する新たな方法を提供し、科学的にも認められています。したがって、プリゴジンがネゲントロピーを誤用しているとは考えにくいです。